ネットワークプログラマビリティの世界的コミュニティ「シスコ DevNet」
──まずは自己紹介を簡単にお願いします。
滝島大介氏(以下、滝島):ネットワンパートナーズ(以降、NOP)は2008年11月の設立より、パートナー様との協業ビジネスに特化し、先進のICT商材やサービスの販売支援、導入運用保守の行程で、マルチベンダ製品の取り扱いから培ったノウハウや独自の技術検証といった付加価値をつけてパートナー様に提供しています。私は1997年に親会社のネットワンシステムズに入社し、主に製造、流通、メディアのお客様に対してアカウントSEとしてネットワークの設計構築を担当し、2019年からNOPに移って、パートナー様へのエンジニアリングサービス提供を担当しています。
山口朝子氏(以下、山口):7年前にシスコシステムズ(以降、シスコ)に入社し、アライアンスビジネスに携わっています。なかでもシスコ DevNetという、APIやプログラマビリティをパートナー様に普及していく活動に従事しています。シスコ DevNetには重要なミッションが2つあります。1つはNOPのようなシスコ製品を販売いただいているパートナー様へのイネーブルメント、もう1つはISV(Individual Software Vendor)やアプリケーション開発企業様など、シスコにとっては比較的新しいタイプのパートナー様に向けた各種プログラムの企画・実行です。
──シスコ DevNetについて教えてください。
山口:シスコ DevNetはシスコが7年前に世界規模でスタートさせた、エンジニア向けのコミュニティで、APIやプログラマビリティに関する学習コンテンツ、開発環境、ユースケース、ケーススタディなどの情報が公開されています。登録メンバーには個人のエンジニアからパートナー様、エンドユーザー様まで幅広く、現在では全世界で60万人以上がこのコミュニティに参加しています。
設立当時、徐々にビジネスのクラウドシフトが進展し、アプリケーションもアジャイルやDevOps開発により市場ニーズへの迅速な対応が求められていました。インフラ製品ベンダーであるシスコにとっても実はたいへん大きな変換点であり、アプリケーションを支えるネットワークやデータセンターの早期システム導入や安定稼働には、インフラ側でのAPIやプログラマビリティによる自動化技術の普及が急務となっていたことがシスコ DevNetスタートの背景にあります。
今ではネットワークを始め、セキュリティ、サーバー、コラボレーションまで、全てのシスコ製品に関連するAPIを公開しており、インフラ構築や導入後の運用効率化など日々のエンジニア業務、お客様業務の生産性向上に役立てていただいています。
また、COVID-19以降は新しい働き方やデータ利活用のためのアプリケーション開発やISV企業様が活用いただけるサービスや情報も充実してきております。
──COVID-19での変化、滝島さんも実感ありますか?
滝島:働き方の変化だけではなく、ネットワークのトラフィックも大きく変化したなと実感しています。これまではデータセンターといった特定の拠点を中心にデータが流れていましたが、COVID-19以降はインターネットを中心にあらゆるところから流れるように変わりました。それにより、ネットワークに求める要件も変化していると感じています。