米Microsoftは、Windows向け統合開発環境の最新版「Visual Studio 2022 17.5」に加わった、処理性能を引き上げるための改良点を解説する記事を3月9日(現地時間)に公開した。
「Visual Studio 2022 17.5」にはまず、「Build Acceleration」と呼ぶ機能が加わった。これは、プロジェクトに変更を加えた後の増分ビルドの処理速度を大きく引き上げる機能。プロジェクト内の変更点を検知し、変更があった部分だけをビルドし直すことによって、増分ビルドの速度を最大で80%向上させている。
続いて、元々備わっている逆コンパイルの機能の性能を大きく引き上げた。今回の新バージョンでは、前バージョンで1つのモジュールの逆コンパイルに要していた時間で、複数のモジュールの逆コンパイルを完了させることができる。前バージョンに比べた処理速度の向上幅は最大で10倍にもなるとしている。
マルチスレッド・アプリケーションのデバッグで使用する「スレッド・ウィンドウ」の処理速度も大幅に改善した。特に、大量のスレッドを並列実行するアプリケーションのデバッグで、スレッド・ウィンドウがすべてのスレッドを列挙するときにかかる時間が短縮した。
また、ユーザーの手間を省く機能も加わった。プロジェクトに新しいファイルやフォルダを追加したいときに、プロジェクトのディレクトリ。ツリーを右クリックし、「Add」の「New Item」をクリックすると、ファイルやフォルダの名称を入力する欄だけを持つ小さいダイアログが現れる。この欄に追加したいファイルやフォルダの名称を記入して「Add」ボタンを押すと、ファイルやフォルダを追加できる。従来はプロジェクトにファイルやフォルダを追加する際には、アプリケーションのテンプレートから選択する大きなダイアログを操作しなければならなかったが、新版では簡単な操作でファイルやフォルダを追加できるようになった。
C#のRazor構文でコードを編集するときに便利な機能も加わった。任意の行の左側で右クリックすると、不要なHTMLタグを削除するメニューや、画像ファイルをBase64でエンコードするメニュー、画像ファイルの幅と高さを指定するメニューが現れるようになった。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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