V8 JavaScriptエンジンとRustによる、JavaScript/TypeScriptランタイム環境であるDenoの開発チームは、最新バージョンとなる「Deno 1.32」を3月23日(現地時間)にリリースした。
「Deno 1.32」では、Node.jsとの互換性が改善され、パッケージのインストールは、package.jsonファイルのエントリと一致するベア指定子をコードで使用するインスタンスに制限されるようになるとともに、package.jsonの依存関係解析エラーが遅延して表示されるようになり、中断が最小限に抑えられるようになっている。
また、package.jsonの自動検出が--no-configフラグと--no-npmフラグが設定されている場合に無効になり、プロセスをより細かく制御できるようになったほか、新たに追加されたDENO_NO_PACKAGE_JSON環境変数によって、Denoが環境内のpackage.jsonファイルを解決するのを完全に防げるようになるとともに、node:cryptoでcreateCipherivおよびcreateDecipheriv APIのサポートが追加され、使用可能な暗号化関数の範囲が拡大された。
さらに、deno compileサブコマンドで作成されたバイナリを使用して、動的インポートとWeb Worker APIを使用可能になり、マルチスレッドプログラムをより簡単に構築できるようになっている。
ほかにも、deno runにおいて--extフラグを使用して拡張子を指定することで、拡張子なしでファイルを実行可能になるとともに、DenoのAPIやWeb APIにおけるいくつかの変更、標準ライブラリにおける変更、最新版となる「TypeScript 5.0」の同梱、V8のバージョン11.0から11.2へのアップグレードなど、さまざまな機能追加・改善が行われた。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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