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FileMaker Pro 実践チュートリアル

FileMaker Pro という選択

第1回 FileMakerの概要


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SIベンダーとしてのメリット

健全な短納期を実現

 OracleやSQL ServerなどメジャーなRDBMSをバックエンドにして開発した場合、堅牢かつ高機能のソリューションをエンドユーザーに提供することが可能です。

 一方、開発対象となるソリューションの規模や要件がFileMakerで実現可能な場合には、FileMakerで開発を行うことで、多くの場合、前者よりも短い工期でエンドユーザーにソリューションを提供することができ、開発期間という尺度で大きなアドバンテージが得られます。

 これは、例えばFileMakerで開発することで、1年かかる工期の約50%を短縮できると推定された場合、SIベンダーとしては1年の間に約200%の仕事を行うキャパシティを得たことを意味します。広がったキャパシティを有効活用することで、より多くのシステム開発を手がけることができるようになるでしょう。

 

導入企業(顧客)側のメリット

ローコスト&ジャストインタイム

 FileMakerによるシステム構築を考えた場合、必要になったソリューションを短期間で導入できる、つまり、導入企業が必要なときに必要なソリューションを使用できることで、ビジネスニーズをジャストインタイムで満たすことができます。そのため、機会損失や、開発期間中のニーズの変化も自然と減少します。

 OracleやSQL Serverをバックエンドにしたシステム開発で得られる、システムの堅牢さやスケールが不可欠なソリューションは確かに存在しますが、そこまでのレベルを必要としない場合は、FileMakerによるシステム開発を選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

 繰り返しますが、前記のようなRDBMSをバックエンドにした場合を想定すると、システムの完成度を高めるためには、それなりに時間をかけて開発を行います。FileMakerでシステム開発を行うと、かなり作りこんで開発したとしても、前者と比べ大幅に開発期間を短くすることができます。

 工期短縮がコストの節約に貢献することはもちろんですが、ソリューションをいち早くビジネスで使用できるメリットは、短工期で生み出された「時間」を企業がどのように利用するかによって、無限大の効果をもたらすといってもよいでしょう。

 

 もちろん、OracleやSQL ServerなどのRDBMSを使用したソリューションを否定しているわけではありません。しかし、システム開発の規模や目的を見極めて、FileMakerをシステム開発に採用することで、大きなメリットを得る導入企業は決して少なくはないと、筆者は考えています。

まとめ

 第1回では、FileMakerの概要について説明しました。第2回からは、実際にFileMaker Proによるシステム開発のエキスパートが、FileMaker Proの各種機能を利用したシステム開発の手法や開発ノウハウについて、詳しく解説をしていきます。この連載が全て終わる頃には、FileMaker Proのビジネスユーザや、エンドユーザにソリューションを提供するエンジニアが増えていることを期待して、第2回連載へバトンを渡したいと思います。

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この記事の著者

高岡 幸生(タカオカ ユキオ)

株式会社ジェネコム 代表取締役。ソフトウェアハウス数社にて経験を積み、1995年 ジェネコム設立。10数年にわたりシステム開発や、エンドユーザコンピューティング・コンサルタントとしてビジネスを展開。クライアント企業のIT部門の代わりの役割を担い、多くのクライアントと二人三脚で企業内IT環境の導入およ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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