米Ovenは、JavaScriptCoreエンジンを利用してZig言語で開発したJavaScript/TypeScriptランタイム「Bun」の最新版となる「バージョン0.6.8」を6月9日(現地時間)に公開した。BunはMITライセンスで公開しているオープンソース・ソフトウェア。
バージョン0.6.8ではまず、パスワードをハッシュ化するAPI「Bun.password.hash()」が加わった。引数に平文のパスワードを渡して実行すると、パスワードをハッシュ化した値を返す。返ってきた値には、使用したアルゴリズムやパラメーターの情報も埋め込んであり、「Bun.password.verify()」APIの引数に元のパスワードとハッシュ化した値を渡して実行することで、ハッシュの内容を検証できる。ハッシュ化のアルゴリズムには、「Argon2」と「bcrypt」を利用できる。
また、開発したコードを「bun test」コマンドでテストする際に、モック関数を使えるようになった。Bunは少ないオーバーヘッドで高速でモック関数を作成でき、10万のモックを作成するベンチマークテストで検証したところ、JavaScript用テストフレームワーク「Jest」を使用した場合に比べて80倍速く、「Vite」向けのテストフレームワークである「Vitest」を使用した場合に比べると100倍速いという。
そして、Jestが持つモック関数を作成する関数である「jest.spyOn()」が使えるようになった。現在のところBunはモジュールのモックには対応していないが、近い将来のバージョンで対応するとも予告している。
さらにBunのHTTPサーバーに「inspector」モードが加わった。標準ではこの機能は働かないが、設定を変更することで利用できる。このモードを利用することで、WebSocketで接続可能で、WebKitのデバッガプロトコルに準拠したメッセージを出力するデバッガを使えるようになる。
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