Web技術とRust言語を利用したデスクトップアプリ作成に使用できるフレームワーク「Tauri」の開発チームは、最新版となる「Tauri 1.4」を6月14日(現地時間)に公開した。TauriはApache Licence 2.0とMITライセンスで公開しているオープンソース・ソフトウェアだ。
Tauriは「Electron」と同様、Web技術をデスクトップアプリ作成に応用可能にするフレームワーク。ElectronではメインプロセスをJavaScriptで記述するが、TauriではRustで記述する。また、Electronでは完成したアプリケーションに実行環境としてWebブラウザ「Chromium」とNode.jsを付属させるが、Tauriでは実行環境として各OSが標準で備えているWebブラウザ(WebView)を使用する。完成したアプリケーションに実行環境を付属させる必要がないため、アプリケーションのファイルサイズが小さくなり、実行時にメモリ消費量も少なくなる。TauriはWindows、macOS、Linuxに対応する。
Tauri 1.4ではまず、コマンドシェルでのコマンド入力補完機能が働くようになった。対応するシェルは「Bash」「Zsh」「PowerShell」「Fish」の4種類。そして、アプリケーションのウィンドウの上隅にある3つのボタン(最大化、最小化、閉じる)を表示しないように設定できるようになった。
また、バージョン1.3で導入したWindows向けアプリケーションのインストーラーを作る機能に改良が加わり、オランダ語、日本語、韓国語、ペルシャ語、スウェーデン語、トルコ語に対応し、インストールの過程で表示するメッセージをまとめた「Language File」を独自に作成して使用できるようになった。
Tauri 1.4でも、対応するRust言語のバージョンは1.60以降であることに変わりはないが、互換性の問題が発生したため、「time」「ignore」「winnow」の3種類のクレートには今後修正プログラムを提供しないとしている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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