米Deno Landは、V8 JavaScriptエンジンとRust言語を使用したJavaScript/TypeScriptランタイム「Deno」の新版「Deno 1.35」を7月5日(現地時間)に公開した。DenoはMITライセンスで公開しているオープンソース・ソフトウェア。
Deno 1.35ではまず、Webサーバーを呼び出すAPI「Deno.serve()」が安定版となった。このWebサーバーは、2022年8月公開のDeno 1.25から加わったもので、JavaScript向けHTTPサーバーとしては最速のものと、その性能の高さをアピールしていたものだ。今回の安定化に合わせてDeno Landが性能を検証したところ、Node.jsと比較してスループットが2倍以上、遅延は半分以下、メモリ消費量は25%以上少ないという結果になったとしている。
従来の安定版のWebサーバーを呼び出す「Deno.serveHttp()」APIを利用するには、非同期イテレータを記述したり、HTTPイベントに対応するコードを記述する必要があったが、Deno.serve()を利用すれば、そのような準備は必要なく、簡単なソースコードでWebサーバーを呼び出せる。「node:http」モジュールのnpmパッケージは、新しいAPIを利用するようになっているとしている。
バージョン1.35ではまた、npmモジュールのうち「http」「https」「zlib」の3種類のモジュールとの互換性を改善した。また、「npm:astro」「npm:aws-sdk」「npm:axios」「npm:discord.js」「npm:node-fetch」「npm:parcel」「npm:puppeteer」「npm:redis」の8種類のパッケージがDenoで動作するようになった。
ほかにも、8種類のAPIが新たに加わり、4種類のAPIが安定版となったほか、今回のバージョンからV8 JavaScriptエンジンのバージョンが11.6になり、TypeScript 5.1.6に対応するようになった。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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