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一歩進んだAndroidアプリ開発ができる「Android Jetpack」入門

画面へのデータ反映処理を自動化できるデータバインディング! コードのバリエーションを紹介

一歩進んだAndroidアプリ開発ができる「Android Jetpack」入門 第7回


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 本連載は、「Android Studio2で始めるアプリ開発入門」連載、および『Androidアプリ開発の教科書』の続編にあたる内容として、Jetpackを取り上げていきます。前回は、画面部品へのアクセスを効率よく行えるビューバインディングと、その上位互換であるデータバインディングの入門的な内容を紹介しました。今回は、その続きとして、データバインディングを掘り下げていきます。

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式言語の利用

 前回紹介したように、データバインディングを利用すると、画面部品に反映させたいデータ項目を、レイアウトxmlに定義しておくことで、アクティビティから簡単にデータを反映できるようになります。今回は、まず、そのデータを反映させるコードのバリエーションを紹介しておきます。

 サンプルデータは、GitHubから参照できます。

式言語にはさまざまな演算子が利用可能

 例えば、前回のリスト1で定義したrandNumを、以下のようにdoubleで定義したとします。

<variable name="randNum" type="double"/>

 その上で、この値を使って次のように@{ }内で計算したものを利用することも可能です。

@{randNum * 10}

 このような記述方法を、式言語といい、Javaで用意されている演算子が問題なく利用できます。これらの演算子は、+や*のような算術演算子だけでなく、==や!=の比較演算子や&&や||の倫理演算子、さらには、キャストや三項演算子も利用できます。なお、比較演算子の<は、エスケープして<と記述する必要があります(>はそのまま記述できます)。

text属性にはString変換が必要

 この@{ }を利用する際に、注意点があります。この注意点に関しては、あえて前回紹介していません。そのため、前回のリスト9で、乱数という数値を表す変数なのに、randNumのtypeがStringに疑問を持った方がいるかもしれません。実は、text属性に対して@{ }を記述する場合、その値は必ずStringでなければなりません。そのため、前回では、あらかじめrandNumはStringとしておきました。

 これを前項のように、乱数らしくdoubleとする場合は、次のように、Stringに変換するコードを含めておく必要があります。

android:text="@{String.valueOf(randNum)}"

 となると、前項にあるようなこのrandNumを10倍した値を表示させたい場合は、以下のようにやはりStringへの変換が必要です。

android:text="@{String.valueOf(randNum * 10)}"

staticメソッドも利用可能

 text属性にはStringへの変換が必要な点だけ注意しておけば、この@{ }内にはそれなりに複雑な式が記述できます。その際、JavaのAPIで用意されたstaticメソッドも利用可能です。例えば、以下のコードは、randNumを10倍した値を整数に四捨五入した値を表示するコードです。

android:text="@{String.valueOf(Math.round(randNum * 10))}"

 このように、式言語を利用すると、それなりに複雑なコードを記述し、その結果を表示したり、あるいは、表示・非表示の切り替えなど、画面部品の表示形式を変更したりできます。ただし、これは、あくまで原理的にできるだけであって、お勧めしません。なぜなら、レイアウトxml内にロジックが入ることになり、コードの可読性が下がるからです。この問題を解決するには、やはり計算や加工、表示形式を決定するための判定などは、Java/Kotlinクラス内に記載した方がよいでしょう。その解決方法を次に紹介していきます。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 齊藤 新三(サイトウ シンゾウ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook <個人紹介>WINGSプロジェクト所属のテクニカルライター。Web系製作会社のシステム部門、SI会社を経てフリーランスとして独立。屋号はSarva(サルヴァ)。HAL大阪の非常勤講師を兼務。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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