Agents for Amazon Bedrock
Agents for Amazon Bedrockを利用すると、複雑なビジネスタスクを解決する生成系AIアプリケーションを簡単に作成することができます。Agents for Amazon Bedrockは、re:Invent 2023で一般提供開始となりました。
具体的には、ユーザのリクエストに対して、基盤モデルと、社内のデータソースや既存システム、サードパーティのSaaSとの連携をオーケストレーションしてくれます。
例えば、航空券の予約や保険金の請求などは、基盤モデルだけでは完結することができず、既存システムとの連携が不可欠になります。
これらの既存システムとの連携については、当然自前でのアプリケーション開発・運用も可能ですが、非常にコストと時間がかかります。Agent for Amazon Bedrock は、自前で開発する処理を自動で実施してくれ、さらにマネージドサービスのため、運用負荷も軽減してくれます。
Agents for Amazon Bedrock の全体像は以下の通りです。
開発時のフロー
開発者側で実施する設定は大きく2つあります。
まず、1つ目はエージェントに実行すべきタスクとペルソナを伝えます。例えば、「未処理の保険金請求のリストを取得し、各請求について未処理の書類を特定し、保険契約者にリマインダーを送信する」のように具体的に引き受けてもらいたいタスクとペルソナを伝えます。また、使用する基盤モデルも指示します。
そして、2つ目は、アクション(実行してほしいビジネスロジックとその処理内容の説明)を指示します。例えば、「未処理の保険金請求のリストを取得し、各請求についてリマインダーを送信する」と処理内容の説明を与え、その際に実行するビジネスロジック(Lambda関数とAPIスキーマ)の定義を設定します。
Lambda関数は事前に実行したい処理(例:既存システムの保険金請求リストの一覧を取得するAPIを実行)を定義しておく必要があります。
利用時のフロー
ユーザが利用する際は、エージェントに依頼をすると、その依頼内容に従って後続の処理はエージェントが自動で実行してくれます。
例えば、ユーザが「未処理の請求処理が保留になっているすべての保険契約者にリマインダーを送信する」とアプリケーションに入力すると、エージェントがプロンプトを自動で作成し、基盤モデルを使用して対応するアクション(ビジネスロジック)を特定します。
そして、基盤モデルの出力した結果に従って、エージェントが対応するアクション(Lambda関数)を実行してくれます。Lambda関数は事前に定義された内容に従って、既存システムや既存データベースに対して処理を実行します。
このように、基盤モデルを組み込んだワークフロー全体を自動化およびオーケストレーションしてくれるため、基盤モデルのビジネス利用をさらに促進するのに役に立つのではないでしょうか。