働き方が自由な海外、多くの優秀な人たちと出会える
花木氏は自然言語処理を専門とし、機械学習に10年の経験を持つ。彼はアメリカのミシガン大学で理論物理の博士号を取得した後、分野を転じてニューヨーク大学でデータサイエンスの修士号を取得した。修士課程在籍中には、ゴールドマン・サックスとFacebook AI Researchでインターンを経験した。卒業後はIBM Researchに入社してコグニティブソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、1年半ほど働いた後、シリコンバレーでの勤務に興味を持ちGoogleの本社に転職。機械学習系のソフトウェアエンジニアやテックリードとして活躍した後、日本のスタートアップへと移った。
IVRyは主に電話の自動応答サービスを提供している。多くのレストランや店舗では、電話が頻繁にかかってくることで作業が中断されることがある。IVRyは、このような状況を改善するために自動応答システムを導入し、店舗の従業員がより重要な業務に集中できる環境を作り出している。花木氏はここで音声認識とAIを用いた次世代の自動応答サービスの開発を担当している。
最近、海外で働く日本人エンジニアが増えている(特にXやその他のSNSを見ると、海外で働くエンジニアたちを見かけるようになった)。しかし、海外での就業に関する情報はまだ入手しにくい状況であり、SNSでは散発的な情報が多いため、まとまった情報が得られる場所は少ないと考えられる。花木氏は、自身の経験にもとづきアメリカで働く方法を説明する中で、多くの人の話を聞くことも重要だとし、場合によってはSNSで直接DMを送るなどして情報収集する方法もあるとアドバイスした。
花木氏は、アメリカと日本の違いは、「給与の高さ」「働き方」「周囲の人々」であるとし、それぞれ説明を始めた。まずは「給与の高さ」だ。例えば、Metaには年収8000万を稼ぐシニアリサーチサイエンティスト、Amazonには新卒で4500万円程度を稼ぐソフトウェアエンジニアがいる。また、統計情報では、サンフランシスコベイエリアのエンジニアの中央値が24万ドル(※1ドル=150円換算)、約3600万円程度とある。Googleは新卒から5〜6年でシニアポジションに昇進できるが、その年収は6000万円ほどだ。花木氏によるとGoogleは人気企業なのでビッグテックのわりに報酬は低いほうだという。