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社会とのつながりを通して、エンジニアのキャリアを拓く──シビックテックのススメ

シビックテックコミュニティの歩き方──環境問題から酒蔵データまで、世界とつながるプロジェクトを紹介

社会とのつながりを通して、エンジニアのキャリアを拓く──シビックテックのススメ 第2回

グローバルハッカソンも! シビックテックの注目イベントをご紹介

 前述したようなプロジェクトのアイデアが持ち込まれ、立場の違う人と交流し、試しにサービスを作るところまでを行う場となっているのがハッカソンです。今回は1dayハッカソン「Social Hack Day」と、グローバルな仲間と交流できる「Facing the Ocean」を紹介します。

プロジェクト持ち込み型ハッカソン:Social Hack Day

 Code for Japanで毎月開催しているのが1dayハッカソン「Social Hack Day」です。基本的な流れとしては、ピッチ→ランチ(交流)→前半開発→中間報告→シャッフル(交流)→後半開発→最終報告で、一般的なハッカソンと異なる点としては、

  1. プロジェクト持ち込み型
  2. 競争ではなく協働
  3. プロジェクト固定ではなく流動的に動く

があります。

①プロジェクト持ち込み型

 プロジェクトオーナーが企画提案の簡単な資料を持ち込み、ピッチを聞いて関心を持った参加者がプロジェクトチームに集まって開発を進めていきます。プロジェクトオーナーはその領域の専門家でなくても、発起人として旗を立てて、仲間を集めて進めていくことができれば、誰でもチャレンジすることが可能です。また、プロジェクトオーナーは交代・引き継ぎすることも可能なので、責任を一身に背負う必要はありません。むしろ一人で抱え込まずにプロジェクトの進捗やコミュニケーションをできる限りオープンにして、仲間がいつでも代理になったり引き継いだりできるようにしておくことが望ましいです。

②競争ではなく協働

 一般的なハッカソンは最終結果発表・表彰などを伴うことが多いですが、ハックデーは終わらない継続開催型なので、その日の最後の報告では「フライングハイ(flying-high・絵文字の🙌)」を共有する時間として「ここまで進捗しました」「こんな嬉しいことがありました」というポジティブな報告をし合って、お互いに拍手を送り合う時間を設けています。Social Hack Dayは技術力や開発スピードを競い合っているのではなく、ユーザーの困りごとに実際に貢献できるか、社会に対して提案ができているかということが価値判断となるため、協働できているという実感がコントリビュータにとっての喜びになっています。

③プロジェクト固定ではなく流動的に動く

 これは主にg0v(ガブゼロ・台湾のシビックテックコミュニティ)から影響を受けているカルチャーで、1人が1回のハッカソンで関わるプロジェクトの数に縛りがありません。「自然言語の処理詳しい人いませんか?」「福祉関連の法律がわかる人いたら教えて」などの声をあげると、該当者がプロジェクトから抜けてサポートに行くこともありますし、シャッフルタイムでは意図的に前半で関わっていたプロジェクト以外の話を聞きに行ってもらって、情報交換をしながら複数のプロジェクトに関わってもらうきっかけづくりをしています。

台湾・韓国・日本合同ハッカソン:Facing the Ocean

 前述のSocial Hack Dayは2018年からの約5年間で約60回開催しており、これまでにも沢山の方にご参加いただいています。そしてこのイベント開催は台湾のg0v-jothon(零時政府揪松團)が運営している「g0vハッカソン」を元に企画したこともあり、過去にはg0vハッカソンとコラボ開催もしていました。そんな流れから生まれたのが台湾・韓国・日本が合同で開催している東アジアシビックテックハッカソン「Facing the Ocean」です。2018年に構想が始まり、2019年からg0v-intl(零時政府國際交流小組)のメンバーやCode for Koreaと企画運営をすすめています。2019年6月に沖縄(日本)、12月に台南(台湾)、パンデミック期間のオンライン交流を挟み、2023年6月に済州島(韓国)で開催し、2024年は日本にて開催予定です。

Facing the Ocean
韓国で開催された「Facing the Ocean」の様子

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この記事の著者

関 治之(Hal)(セキ ハルユキ)

一般社団法人コード・フォー・ジャパン代表理事。「テクノロジーで、地域をより住みやすく」をモットーに、会社の枠を超えて様々なコミュニティで積極的に活動する。住民や行政、企業が共創しながらより良い社会を作るための技術「シビックテック」を日本で推進している他、オープンソースGISを使ったシステム開発企業、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

武貞 真未(mamisada)(タケサダ マミ)

医療福祉領域のITベンチャーにて地域連携コーディネーター、新規事業開発室、CTO室、人材開発部、広報部などに従事。2018年からCode for Japanのコミュニティづくりに参加し、2020年に入社。コミュニティ活動や学生向けのプロトタイプ開発プログラム、海外連携での台湾・韓国などとの合同ハッカ...

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