はじめに
はじめまして。シビックテックのコミュニティを運営しているCode for Japanです。今回、多くのソフトウェア開発者の方々が読まれているCodeZineで、「シビックテック」について知っていただく機会を頂戴し、2回にわたるシビックテック紹介記事を寄稿させていただきます。
シビックテック(Civic Tech)とは、市民(Civic)がデータや技術(Tech)を活用しながら地域や社会にアプローチする取り組みです。開発者のスキルを仕事以外のプロジェクトや開発に使ってみたり、仕事では触れない言語や領域にコミュニティでチャレンジしたりすることができるのがシビックテックコミュニティの特徴なので、これらについて皆さんに少しでも身近に感じていただく機会となれば幸いです。今回はCode for Japanのファウンダー関(Hal)とコミュニティマネージャー武貞(mamisada)から紹介させていただきます。
エンジニアが地域の社会貢献に取り組むメリットとは?
エンジニアが地域の社会貢献に取り組むメリットにはさまざまなものがありますが、この記事では代表的な3つを紹介します。
1. 新しい挑戦による楽しさと充実感
地域の社会貢献プロジェクトに参加することは、日常の業務から一歩離れて新たな技術やアプローチに挑戦する機会を提供します。たとえば、災害対応アプリケーションの開発や、地域の環境保護活動に貢献するためのデータ分析プロジェクトに携わることが挙げられます。これらの活動は、技術的な挑戦とともに、社会的な意義を感じることができ、仕事に新たな意味と楽しさをもたらします。また、自分のスキルが実際に社会問題を解決し、人々の生活を改善することに貢献していると実感することは、大きな達成感と自己実現をもたらします。
2. キャリアの成長
シビックテックプロジェクトへの参加は、エンジニアのキャリアにとって大きなプラスとなります。地域課題の解決プロジェクトに関わることで、さまざまな経験を得られます。クラウドサービス活用、CI/CD、オープンソースなどの経験だけでなく、プロジェクトによっては生成AIやWeb3.0などを活用する経験を積むこともできます。これらの経験は、エンジニアとしてのポートフォリオを充実させることにも繋がります。さらに、多様な背景を持つチームメンバーや地域住民との協力を通じて、コミュニケーション能力や問題解決スキルなどの重要なソフトスキルも磨かれます。シビックテックでの活動を通じて起業したり、転職したりといったケースも少なくはありません。
3. ネットワークや人脈の拡張
シビックテックやNPOの活動に参加することで、さまざまな分野の専門家や地域のリーダーとの関係を築く機会が得られます。例えば、市のイベントでの技術デモンストレーションや地域のNPOとの共同プロジェクトを通じて、エンジニアは新たな人脈を構築できます。これらの関係は、将来のキャリア機会、新規ビジネスの創出、さらには自分自身のプロジェクトへのサポートや推薦など、数多くの可能性を開くものです。
なにより、課題解決に向けて活動することによる視野の広がりや、仲間と一緒に達成したときの楽しさはかけがえのないものです。チャンスがあればぜひ飛び込んでほしいと思います。