仕事でChatGPTを使うための3つのポイント
はじめに畠山氏は、LLMがコーディングの現場にもたらした変化について「これまではインターネットで検索したサンプルコードをコピー&ペーストで動かし、ドキュメントや各種サンプルコードを読み込み挙動や使い方を理解していた。現在はそれがLLMに変わりつつある」と指摘する。
「もはや調べる時代ではない。AIに聞けばすぐに答えが返ってくるのだから、ビジネスでもテクニカルなトピックでも、悩むくらいなら聞けば良い。そういう時代になっている」(畠山氏)
まずはプロンプトの基本について。畠山氏によると、仕事でChatGPTを使う際にポイントとなるのは以下の3つだ。
- 変換
- 抽出
- 追加データ(RAG)
例えば「変換」では、簡単な文章を適切なビジネスメールの文面に直し、さらに添削のポイントを説明させることができる。このような変換の延長線上に、日本語から日本語、英語、HTMLなどのあらゆる変換があるという。
「抽出」では、例えばメールなどの文章からタスク遂行に必要な項目をリストアップする作業がすぐに完了する。活用シーンとして畠山氏が例示したのは、途中から案件に加わったために、現状を把握できないようなケースだ。このような場合も、わざわざ打ち合わせをする必要はなく、まずは手元にあるデータを共有すればそこから知りたい項目を抽出して簡単に確認できる。
つまり、データで保存さえしておけば、ChatGPTが後からなんとかしてくれるということだ。現時点で精度にはやや課題があるが、ある程度のことが自動でできてしまうのは大きなメリットだ。
ここで畠山氏は、OSの音声入力機能を使い、口頭でChatGPTにHTMLファイル作成の指示を出した。ChatGPTが音声認識した指示文にはミスが多く、そのまま読んでも意味が伝わらない。しかし意外なことに、その文章を訂正せずに送信しても、指示の意図に沿ったコードが生成された。むろん完璧ではなく、多少の修正が必要ではあったものの、しっかり動作していたのは驚きだ。
ChatGPTには音声認識のミスを補正して意図をくみ取る機能が備わっているため、思いついたことをしゃべるだけでコードが完成するというわけだ。畠山氏は「プログラマーとして20年以上の経験があるが、ゼロから動くものをこんなに速く作ったことはない」と、ChatGPTの持つ可能性に期待をにじませる。