Platform Engineeringの2つの「IDP」~Internal Developer Platformとは?
第4回 内部開発者プラットフォーム(IDP)を構成する5つのコンポーネント
1. アプリケーションの構成管理
アプリケーションの構成管理は、アプリケーションの設定情報(例えば、Kubernetesのマニフェストファイル、Terraformのコード、環境変数など)を信頼性高く、動的になおかつスケーラビリティを担保した状態で管理するプロセスを指します。アプリ開発者が新しいアプリケーションを立ち上げる際や、既存アプリケーションを更新する際には、このような構成情報を作成または変更する必要があります。
アプリ開発者が迅速にアプリケーション開発を進めるためには、これらの構成情報を自らが作成・変更できることが望ましいです。しかし、Kubernetesのマニフェストファイルの作成や変更には、Kubernetesのオブジェクトに関する知識が求められるため、全てのアプリ開発者がこれらの作業を行えるわけではありません。このような技術的に難易度の高い作業は、アプリ開発者の開発効率を低下させる原因となります。
PTがこの課題を解決するために、Kubernetesのマニフェストテンプレートや、アプリ開発者が構成情報を容易に変更できる仕組みの提供が重要になります。これにより、アプリ開発者はアプリケーションの構成情報を簡単に作成・変更できるようになり、開発効率の向上が期待できます。
また、PTはテンプレートから作成された一貫性のある構成情報により、運用コストの削減やアプリケーションの品質の安定にも寄与します。
PTがテンプレートを提供することで、開発チームはより効率的に、そして一貫性を持ってアプリケーション構成を管理できるようになります。これは、複雑な設定を減らし、プロジェクトの初期段階での迅速な立ち上げを支援します。
2. インフラストラクチャのオーケストレーション
インフラストラクチャのオーケストレーションは、アプリケーション開発において、様々な技術やサービスをシームレスに統合し、効率的に管理することを指します。現代のアプリケーションはコンテナ化され、Kubernetesのようなオーケストレーションツールを用いてクラウドプロバイダーのインフラストラクチャやオンプレミスのサーバー上で運用されます。また、データベース、キャッシュサービス、メッセージキューサービスなどの外部サービスとの連携が不可欠です。
しかし、アプリ開発者がこれらのインフラストラクチャを自ら構築することは、その複雑性と専門知識の要求から、実現が難しい場合がほとんどです。一方で、外部チームに構築を依頼すると、コミュニケーションの遅れや調整の難しさから、開発効率が低下する可能性があります。
このジレンマを解決するのが、IDPの役割です。IDPは、アプリケーションを構成するために必要なリソースを一元的に提供し、インフラストラクチャのオーケストレーションを実現します。PTは、CIなどの自動化ツールを活用して、これらのサービスを統合し、アプリ開発者が効率的にアプリケーションを開発し、デプロイするための基盤を提供します。
このアプローチにより、アプリ開発者はインフラストラクチャのセットアップや管理に費やす時間を大幅に削減でき、開発に集中することができます。また、IDPを通じて提供されるインフラストラクチャは、PTが定めるベストプラクティスやセキュリティポリシーが設定されることで、一貫した品質とセキュリティ基準を満たすことが保証されるため、全体的なアプリケーションの信頼性と効率性が向上します。
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石川 諒(ishikawa-pro)(イシカワ アキラ)
株式会社CAMのバックエンドエンジニア。 社内の多数のサービスを支えるプラットフォームの開発・運用に従事。仕事以外では、 Platform Engineering Meetup の運営にも携わり、Platform Engineering のコミュニティにも貢献している。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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