価値のあるInternal Developer Platformを提供するために
IDPを構築する際、「Platform as a Product」という考え方は、その成功の鍵を握ります。このアプローチを取ることで、IDPは単なるツールや技術の集合体以上のものになり、開発者が実際に必要とする価値を提供するプラットフォームになります。以下の重要なポイントに注目することが、開発者にとって真に価値のあるIDPを提供するためには不可欠です。
- ユーザー体験を追求する:IDPは、開発者が直感的に理解でき、簡単に利用できるUI/UXを備えているべきです。開発者がプラットフォームを利用する際の認知負荷を軽減し、ストレスフリーな体験を提供することが、長期的な成功に繋がります。
- 開発者のニーズに寄り添う:開発者が直面している実際の課題を理解し、それらを解決する機能を優先して提供することが、有効なIDP構築の出発点です。これを達成するためには、定期的に開発者からフィードバックを収集し、そのフィードバックを基にプラットフォームを継続的に改善していくプロセスが必要です。
- 最低限のプラットフォームを保つ:効率的なプラットフォームは、常に「必要最低限」の機能を提供します。このアプローチにより、余計な機能による混乱を避け、プラットフォームの複雑さを最小限にできます。
- 利用を強制しない:開発者にプラットフォームの利用を強制するのではなく、利用することのメリットを明確にして、開発者が自発的にプラットフォームを選択するように促すことが重要です。
これらの指針を基に構築されたIDPは、開発者にとって真に価値のあるリソースとなり、プロジェクトの効率化、品質の向上に貢献します。
開発者にとって使いやすく、価値あるプラットフォームにするには、ユーザー体験の向上が欠かせません。その鍵となるのは「開発者ポータル」です。
開発者ポータル
開発者ポータルは、IDPを操作するためのインターフェースであり、開発者がアプリケーションの構成管理、環境の作成、デプロイメントといった多岐にわたる作業を統一されたインターフェースで操作できるようにしたものです。このポータルを利用することで、開発者はプラットフォーム上で必要な操作を直感的かつ効率的に行うことができ、開発効率の向上とプロセスの簡素化が実現します。
この開発者ポータルのことを、Internal Developer Portalと呼びます。Internal Developer Portalという用語は、よくInternal Developer Platformと同じIDPの略称で呼ばれます。 IDPがPlatformを指しているのかPortalを指しているのかは、文脈によって決まるので、注意が必要です。
開発者ポータルを構築する代表的なツールとして、Backstageが挙げられます。
BackstageはSpotifyによって開発されたオープンソースの開発者ポータルで、ソフトウェアカタログ、ドキュメント、Kubernetesの情報など、開発に必要な情報を一元管理する機能を提供します。また、さまざまなサービスやツールをプラグインとして統合できるため、自分たちが構築しているプラットフォームに合わせて独自の開発者ポータルを構築することが可能です。Backstageについては、次回の記事で紹介します。
まとめ
今回の連載では、PTが提供するプラットフォームの重要性とその構成要素について解説しました。プラットフォーム提供を成功させるためには、アプリケーションの構成管理、インフラストラクチャのオーケストレーション、環境の管理、デプロイメントの管理、ロール単位のアクセス制御の5つのコアコンポーネントを適切に提供する必要があります。また、「Platform as a Product」の考え方を基に、開発者のニーズに寄り添い、ユーザー体験に重点を置いたプラットフォームの提供が重要です。また、開発者ポータルの役割とそのユーザー体験への貢献についても触れました。
次回は、開発者ポータルの代表ツールであるBackstageについて詳しく見ていきます。お楽しみに!
