バックグラウンド処理を管理しよう! WorkManagerの基本の使い方を解説
一歩進んだAndroidアプリ開発ができる「Android Jetpack」入門 第9回
本連載は、「Android Studio2で始めるアプリ開発入門」連載、および『Androidアプリ開発の教科書』の続編にあたる内容として、Jetpackを取り上げていきます。前回は、データバインディングを紹介する最後として、監視オブジェクトの利用や双方向データバインディング、さらにLiveDataの利用方法を紹介しました。今回からは、3回にわたって、バックグラウンド処理を管理できるWorkManagerを紹介していきます。前編にあたる今回は、WorkManagerの概説と、その使い方の基本を紹介します。
バックグラウンド処理とWorkManager
本連載は、Android Jetpackを紹介しています。今回から3回にわたって、WorkManagerを紹介していきます。今回は、まず、WorkManagerとは何かから話を始めていきます。
サンプルデータは、GitHubから参照できます。
バックグラウンド処理の選択肢
一言でバックグラウンド処理といっても、Androidにはいくつか選択肢が用意されています。例えば、音楽アプリなどは、画面を閉じていても視聴が続けられます。このようなアプリの場合は、Serviceクラスを主に利用したフォアグラウンドサービスを利用します。
また、現在の天気情報を表示するアプリのように、どこかのWeb APIにアクセスしてデータを取得の上、画面に表示させるようなアプリの場合は、Executorを主とした、いわゆるJavaのスレッドを利用した処理になります。Kotlinならば、コルーチンという選択肢もあります。いずれにせよ、いわゆる非同期処理を利用することになります。
これらの選択肢では対応できないバックグラウンド処理が必要な場面があります。例えば、クラウドにデータが保管されているメモアプリを考えます。ユーザはメモアプリに何かを書き込み、アプリを閉じます。アプリは入力されたデータをクラウドに送信する必要があります。それは、たとえユーザがアプリを閉じていても、場合によっては、端末を再起動させたとしても、どこかのタイミングでクラウドに送信されておく必要があります。
このような場合、ここで紹介した2種の方法、すなわち、フォアグラウンドサービスと非同期処理は向きません。フォアグラウンドサービスは、そもそもUIスレッドで動作するものですし、非同期処理はスレッドが分かれているとはいえ、アプリのライフサイクルと関連します。そもそも、端末(Android OS)そのものを再起動されてしまうと、フォアグラウンドサービスであろうが、非同期処理であろうが、それらのプロセスは強制終了し、再起動後に再開することはあり得ません。
バックグラウンド処理実行を保証するWorkManager
このように、場合によってはOSの再起動が行われても、必ず最後まで実行させたい場合に利用する選択肢が、WorkManagerです。WorkManagerは、一度設定されたバックグラウンド処理の実行を、OSレベルで保証する仕組みです。このようなWorkManagerには、大きく以下の2種があります。
- OneTimeWorkRequest:バックグラウンド処理が1回のみ実行される場合に利用する。
- PeriodicWorkRequest:バックグラウンド処理を繰り返し実行する場合に利用する。
WorkManagerを紹介する前編にあたる今回は、OneTimeWorkRequestをベースに、WorkManagerの使い方の基本を紹介していきます。中編と後編は、WorkManagerの応用的な使い方とPeriodicWorkRequestを紹介します。
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WINGSプロジェクト 齊藤 新三(サイトウ シンゾウ)
<WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。 2026年時点での登録メンバは約50名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書、記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook <個人紹介>WINGSプロジェクト所属のテクニカルライター。Web系製作会社のシステム部門、SI会社を経てフリーランスとして独立。屋号はSarva(サルヴァ)。HAL大阪の非常勤講師を兼務。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)
静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるLaravel実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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