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IPA、「データ利活用・データスペースガイドブック第1.0版」を公開

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 情報処理推進機構(IPA)は、一般的なデータ利活用だけでなく異なる組織・異業種間でデータを共有する「データスペース」の利用手順や、その内容を解説した「データ利活用・データスペースガイドブック第1.0版」を、11月13日に公開した。

 「データ利活用・データスペースガイドブック第1.0版」は、同法人がこれまでに「DX実践手引書」や「データスペース入門」で紹介してきた、データ利活用の基礎知識や考え方を踏まえて、組織がデータスペースを活用する場合の具体的な手順や、担当者が「すべきこと」を8フェーズに分類し、包括的に解説している。

 データスペースの利用手順として、8フェーズの全体像をプロセス図で示すとともに、データをサービス展開などの事業に活用したい読者を「データ利用者」、データを提供したい読者を「データ提供者」と定義して、それぞれのタスクを明示する。

全体プロセス
全体プロセス

 あわせて、経営層・CDOや事業部門、IT部門が果たすべき役割を明確にし、各章の冒頭でタスクを主導すべき担当者や関与の度合いをイラストで示している。

 第1章では、おもに経営層に向けて、データ活用を軸にした事業推進体制を構築するための、組織の将来像やビジョンの共有をはじめ、ロードマップの策定やCDO(Chief Data Officer:最高データ責任者)、CDO部門の設置といった、組織整備の必要性を紹介する。

 第2章と第4章では、おもに事業部門向けにビジョン実現のためのデータ利用企画を策定して、収集するデータの選定やデータカタログサイトなどを活用したデータ検索方法を解説している(第3章は、利用者側に必要なタスクが存在しないため記載なし)。

 第5章では、データスペースへの参加時に考慮すべき内容や、データ主権の観点からデータ提供元と契約する場合の注意点などについて説明する。

 第6章では、設計・開発・検証について説明しており、設計ではデータ構造やデータの管理の重要性について説明し、開発ではデータ利活用のスピードを速め、品質向上の観点からなるべく開発を行うことなく、データスペースなどが提供する機能やサービス(コネクタなど)を利用することを推奨している。また、開発の必要性がある場合はデータを利活用するための5つの工程ごとに、その例を示す。検証では、実際に契約したデータを利用したテストの実施を推奨している。

 第7章では、データを取得する前に本人確認や契約条件との照合を行う認証・認可や、データの信憑性を確認する来歴確認について、デジタル基盤などから提供された機能を利用して行う方法を紹介する。

デジタル基盤から提供される来歴管理、確認の全体像
デジタル基盤から提供される来歴管理、確認の全体像

 第8章では、データに基づいた事業活動やデータ分析を改善するための、評価の観点を例示しており、データスペース活用時の評価観点としては、相互運用性(インターオペラビリティ)とデータ主権の2つの観点を、CDOの役割としての評価観点では、データ戦略の達成度をはじめとする7つの観点を挙げている。

 今回、公開された第1.0版では、まずデータ利用者向けのタスクを先行して詳述しており、「データ提供者編」は近日の公開を予定する。

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