New Relicは、米Enterprise Technology Researchとともに調査と分析を実施した、今回で第4版となる年次オブザーバビリティ予測レポート「2024 オブザーバビリティ予測レポート」の日本語版を、12月17日に発表した。
同レポートによれば、ビジネス影響が大きいシステム停止では、62%の回答者がダウンタイム1時間あたりのコストが100万ドル以上に上ると答えており、その中央値は190万ドルとなっている。また、エンジニアリングチームがシステム中断への対処に費やした時間の中央値の割合は30%と、週40時間労働とすると12時間に相当する。
フルスタックオブザーバビリティを実現している企業は、実現していない企業と比較して年間ダウンタイムが平均79%減少し、1時間あたりのシステム停止コストが48%少ない。
オブザーバビリティのツールについて、複数のポイントソリューションと比較して、単一の統合プラットフォームが2倍ほど多く望まれている。単一ツールを使用している回答者の数は前年比で37%増加するとともに、ツールの平均数は前年比11%減少した。依然として5つ以上のツールを使用しているという回答が45%を占めるものの、41%は来年中にツールの統合を予定している。
オブザーバビリティへの年間支出の中央値は195万ドルで、オブザーバビリティから得られる財務上の年間価値の中央値は815万ドルとなり、ROIの中央値は4倍だった。ROI中央値は、2023年版レポートの2倍〜4倍に増加している。
ビジネス成果をテレメトリデータと関連付けて、リアルタイムでレポートする機能(ビジネスオブザーバビリティ)は、オブザーバビリティベンダに求める重要な基準の1つであり、全体で3番目の選択肢だった。40%の回答者がビジネスオブザーバビリティを実現する機能を導入済みで、導入済みの企業は、そうでない企業と比較して年間のダウンタイムが平均40%減少し、時間あたりのシステム停止コストに費やす時間が平均24%削減され、サービス中断への対処に費やす時間が平均25%短縮されている。
AIテクノロジの導入は、オブザーバビリティのニーズを促す戦略やトレンドのトップ(41%)であり、42%がAI監視を、29%が機械学習モデル監視を、24%がAIOps機能を導入していた。これらの機能を導入した企業は、導入していない企業と比較して、オブザーバビリティから得られる財務上の年間合計価値がより高くなる傾向にある。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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