SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

これだけは押さえておきたい! AWSサービス最新アップデート

「AWS MCP Servers」とは? Amazon Q Developer CLIとの連携でAWSをもっと便利に活用!

第32回 AWS MCP Servers、 Amazon Q Developer CLI

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 本連載では、AWSに関して、なかなか時間がとれず最新のアップデートを追えていない方や、これからAWSを利用したいと考えている方に向けて、AWSから発表される数多あるサービスアップデートのうち、NTTデータのITスペシャリスト達がこれだけは押さえておくべきと厳選した内容を定期的に紹介します。本記事では、最近、注目を集めている「AWS MCP Servers」についてご紹介します。

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

はじめに

 2024年11月にAnthropicが発表して以来、Model Context Protocol(MCP)がAI界で大注目されています。

 そんな中で、2025年4月にAWSが「AWS MCP Servers」を発表しました。さらに Amazon Q Developer CLIが日本語にも対応した上で、MCPのサポートを開始することが発表されました。

 本記事では、MCPの概要からAWS MCP Serversについて、各サーバの特徴と使用感を含めてご紹介します。

Model Context Protocol(MCP)とは

 Model Context Protocol(MCP)は、AIモデルと外部ツールやデータソースとの安全かつ効率的な連携を実現するためのオープンソースプロジェクトであり、Anthropicによって開発されました。

 これまでAIと外部システムを連携させるには、システムごとに個別のAPI統合が必要でした。そのため、データ処理や認証に個別開発が必要で拡張性や保守性に課題がありました。

 そこで、登場したのがModel Context Protocol(MCP)です。開発者は個別のAPI統合を行う代わりに、MCPという単一のプロトコルを通じて多様なシステムと連携できるようになります。

 MCPは基本的に、ホストアプリケーションが複数のサーバーに接続できるクライアントサーバーアーキテクチャに従います。

MCPのGeneral architecture(Anthropic社が公開しているMCPの概要ページから引用)
MCPのGeneral architecture(Anthropic社が公開しているMCPの概要ページから引用)

 MCPが発表されて以来、GitHub上には、すでに様々なシステムに対応するMCPサーバーが公開されています。それらのMCPサーバを活用することで、個人がゼロから開発することなく、AIツールを簡単に拡張することができます。

AWS MCP Servers とは

 2025年4月にAWSから発表されたのが「AWS MCP Servers」です。

 AWS MCP Serversは、AIアシスタントがAWSの情報を取得したり、特定のタスクを実行したりする際に、外部のデータソースやツールと接続するための標準化された方法を提供します。

 現時点で発表されている、AWS MCP Serversのいくつかを以下で紹介します

 環境内の他のMCPサーバーを管理・調整し、自動インストール、構成、管理を提供します。

 AWSドキュメントの検索機能を備えているため、ドキュメント参照の精度が高く、ベストプラクティスを効果的に確認できます。

 Amazon Bedrockナレッジベースからの情報検索機能を提供します。

 AWS Cloud Development Kit(CDK)のベストプラクティスを提供します。IaCの実装例やテンプレートを通じて効率的な開発を支援し、cdk-nagを用いることでセキュリティやコンプライアンスの確保が可能になります。

 コスト関連情報へアクセスし、AWSサービスのコスト分析機能を提供します。TerraformコードからAWS利用料金の内訳を自動で見積もり、グラフなどで可視化したり、コスト最適化の推奨事項を取得する事ができます。

 Amazon Nova Canvasという、Amazon Bedrockの画像生成モデルを使用して画像を生成するためのMCPサーバーです。 

 MCPクライアントとAWS Lambda関数間のブリッジとして機能し、AIモデルがLambda関数をツールとしてアクセスして実行できるようになります。

AWS Lambda MCP Server(「Amazon Web Services - Labs」から引用)
AWS Lambda MCP Server(「Amazon Web Services - Labs」から引用)

 AWSアーキテクチャ、シーケンス図、フローチャート、クラス図などをサポートしています。Terraformコードを読み込みアーキテクチャ図などを作成できます。

 Terraformコードの作成・最適化・デバッグを支援し、インフラストラクチャのコード化をより効率的に行えます。

次のページ
Amazon Q Developer CLIでMCPを使うための設定

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
これだけは押さえておきたい! AWSサービス最新アップデート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

松原 千波(株式会社NTTデータ)(マツバラ チナミ)

 2023年にNTTデータに入社。入社以来、パブリッククラウドを活用したシステム構築、運用に携わる。現在は、AWS共通基盤のDevOps業務に従事。注目しているキーワードは、“Platform Engineering”。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/21626 2025/06/13 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング