はじめに
2024年11月にAnthropicが発表して以来、Model Context Protocol(MCP)がAI界で大注目されています。
そんな中で、2025年4月にAWSが「AWS MCP Servers」を発表しました。さらに Amazon Q Developer CLIが日本語にも対応した上で、MCPのサポートを開始することが発表されました。
本記事では、MCPの概要からAWS MCP Serversについて、各サーバの特徴と使用感を含めてご紹介します。
Model Context Protocol(MCP)とは
Model Context Protocol(MCP)は、AIモデルと外部ツールやデータソースとの安全かつ効率的な連携を実現するためのオープンソースプロジェクトであり、Anthropicによって開発されました。
これまでAIと外部システムを連携させるには、システムごとに個別のAPI統合が必要でした。そのため、データ処理や認証に個別開発が必要で拡張性や保守性に課題がありました。
そこで、登場したのがModel Context Protocol(MCP)です。開発者は個別のAPI統合を行う代わりに、MCPという単一のプロトコルを通じて多様なシステムと連携できるようになります。
MCPは基本的に、ホストアプリケーションが複数のサーバーに接続できるクライアントサーバーアーキテクチャに従います。

MCPが発表されて以来、GitHub上には、すでに様々なシステムに対応するMCPサーバーが公開されています。それらのMCPサーバを活用することで、個人がゼロから開発することなく、AIツールを簡単に拡張することができます。
AWS MCP Servers とは
2025年4月にAWSから発表されたのが「AWS MCP Servers」です。
AWS MCP Serversは、AIアシスタントがAWSの情報を取得したり、特定のタスクを実行したりする際に、外部のデータソースやツールと接続するための標準化された方法を提供します。
現時点で発表されている、AWS MCP Serversのいくつかを以下で紹介します
環境内の他のMCPサーバーを管理・調整し、自動インストール、構成、管理を提供します。
AWSドキュメントの検索機能を備えているため、ドキュメント参照の精度が高く、ベストプラクティスを効果的に確認できます。
Amazon Bedrockナレッジベースからの情報検索機能を提供します。
AWS Cloud Development Kit(CDK)のベストプラクティスを提供します。IaCの実装例やテンプレートを通じて効率的な開発を支援し、cdk-nagを用いることでセキュリティやコンプライアンスの確保が可能になります。
コスト関連情報へアクセスし、AWSサービスのコスト分析機能を提供します。TerraformコードからAWS利用料金の内訳を自動で見積もり、グラフなどで可視化したり、コスト最適化の推奨事項を取得する事ができます。
Amazon Nova Canvasという、Amazon Bedrockの画像生成モデルを使用して画像を生成するためのMCPサーバーです。
MCPクライアントとAWS Lambda関数間のブリッジとして機能し、AIモデルがLambda関数をツールとしてアクセスして実行できるようになります。

AWSアーキテクチャ、シーケンス図、フローチャート、クラス図などをサポートしています。Terraformコードを読み込みアーキテクチャ図などを作成できます。
Terraformコードの作成・最適化・デバッグを支援し、インフラストラクチャのコード化をより効率的に行えます。