Kiroでの仕様駆動開発の利用イメージ
Kiroでは、バイブコーディング用の「Vibe」モードと、仕様駆動開発用の「Spec」モードを選択可能です。
ここでは、Specモードを選択した場合の利用イメージを紹介します。

例として、図書館の席予約アプリの開発を想定し、指示を与えてみます。
すると、requirements.mdという要件が記載されたファイルが自動生成されます。この段階で、要件に対して指示を出し、詳細を詰めていきます。

設計フェーズでは、仕様を実現するための技術スタックや、アプリケーション構造、データモデルの一覧等の設計情報がdesign.mdに整理されます。
このフェーズで設計に関する指示を出し、設計内容を修正することができます。

設計フェーズが完了したら、タスクリスト生成フェーズに進みます。

ここでは、コーディングタスクや単体テスト作成タスクなどが一覧化されます。タスクに関して指示があれば随時反映できます。
タスクリストの確認が終われば、各項番ごとに「Start Task」することで、タスクを実行し、実装を進めることができます。

この一連のフェーズを経て実装を進めることで、体系的かつ再現性のある開発プロセスを実現できます。
バイブコーディングとは異なり、各フェーズで情報が整理・明文化されるため、レビューや抜け漏れの確認が容易になったのではないでしょうか。
留意事項
利用モデルについて
Kiroで利用できるモデルは、執筆時点では「Claude Sonnet3.7」と「Claude Sonnet4.0」のみになります。
公式サイトのFAQには今後他のモデルも利用できるように記載されていますので、期待して待ちたいと思います。
料金体系について
詳細の料金体系はこちらに記載されています。
プランに応じて、VibeリクエストとSpecリクエストの上限回数が設定されていますが、本記事で取り上げた「Vibe」モード、「Spec」モードを利用したチャットの送信回数ではないことに注意が必要です。
リクエストの詳細な定義はAWS社公式ブログに記載されています。
SpecリクエストはKiroの構造化された開発ワークフロー内でタスクを実行する際の単位であり、TaskListに記載されたタスクの実行により1リクエスト、といったカウント方法になります。
一方で、VibeリクエストはKiroに対するチャットの送信や、フックのトリガー発生などによりカウントされます。
また、各リクエストの使用量についてもIDE上から確認できるようになっています。

利用方法について
仕様駆動開発により、要件や設計が明文化されるため、 フェーズごとに内容を確認して、着実に次フェーズに移っていく安心感がありました。
一方で、出力される結果は利用者が与えるプロンプトに依存するため、ユーザ側の言語化能力やプロンプトエンジニアリング力は必要不可欠です。
また、出力された結果の妥当性を確認するため、それらを評価するだけの知識が必要になることは認識しておくことが重要です。
まとめ
今回は、AWS社が開発したAI搭載IDE「Kiro」を紹介しました。
仕様駆動開発により、バイブコーディングの課題を解決し、開発プロセスを効率化しつつ品質を担保できるプラットフォームとして、今後利用が加速していくと考えています。
今後もAWS社により開発・改善が進むツールだと思いますので、引き続きアップデート情報に注目したいと思います。
本記事が皆様のAWS活用や開発改善の参考になれば幸いです。