テスト担当者向け機能
VSTS2005ではテスト担当者向けとして、Visual Studio 2005 Team Edition for Software Testers(以下、VSTT)が提供されていました。VSTS2008では同じ位置づけのテストフェーズ向け製品として、Visual Studio Team System 2008 Test Edition(以下、VSTS-TE)が提供されています。VSTS-TEに用意されている主要機能は次のとおりで、このくくりもVSTTのときと変わりません。なお、単体テストについては、VSTS-DEと同様の機能であることも従来と変わりません。
- 単体テスト
- Webテスト
- 負荷(ロード)テスト
- テスト管理
VSTTにおけるこれらの内容については以下の記事を参照ください。
Webテスト
Webテスト機能における最大の変更点は、ASP.NET AJAXを利用しているWebページのテストがサポートされた点です。VSTTでは単独でAJAXページのテストを生成できなかったため、Fiddlerなどの別のツールを利用する必要がありました。VSTS-TEではXMLHTTPの解析がサポートされたため、JavaScriptからのHTTPリクエストがあっても問題なくWebテストを生成することができます。ただし、クライアントサイドのみで実行されるJavaScriptについては従来通りテスト対象に含めることはできません。
また、単体テスト同様にデータバインディング対象のデータソースにCSVやXMLファイルが追加され、設定もウィザードベースで簡単に行えるように強化されています。さらに、Webテストの中から他のWebテストを呼び出すことが可能となり、共通的な部分を1つにまとめ上げることができます。Webテストではあまり大きく取り上げられない点でもさまざまな改善が図られ、テスト生成の負荷軽減に一役かっています。
負荷テスト
負荷テスト機能で目に見える大きな変更点はアナライザビュー(ロードテストの結果を確認するビュー)の変更です。従来はグラフが1つしか表示できませんでしたが、VSTS-TEでは4つのグラフを同時に表示することができます。これにより、カテゴリやグループの単位でグラフに表示するカウンタの内容を調整して、より効果的に状態を把握することができます。
また、テストシナリオのパターンとして、新しくテストミックスのモデルが選択できるようになりました(図10)。
従来は、テストケースの割合でしかテストパターンを決定することはできませんでしたが、このモデルの追加により、より柔軟にテストパターンの設計ができるようになっています。
またテストの結果を格納するデータベースやそのスキーマ定義にも変更が加えられており、テスト結果もより効率的に管理できるようになっています。