シマンテックの「ノートン」と速度比較
そこで今回はESET Smart Securityと、現在日本で最大のシェアを持つといわれるシマンテックの統合セキュリティソフト「ノートン インターネットセキュリティ」を比較してみた。ただし、ESET Smart Securityは2007年10月に発売されたものが最新である一方、ノートンは「ノートン インターネットセキュリティ 2009」が発売されたばかりである。セキュリティソフトは1年で大きく進化するため、そのあたりも加味したうえで比較していきたい。
検証は、それぞれのソフトについてインストールにかかる時間、インストール後のWindows起動時間、システムの完全スキャンにかかる時間、圧縮ファイルのスキャンにかかる時間、他のアプリケーションの起動にかかる時間を計測した。インストール以外は3回計測して平均値を算出している。共にウェブサイトから体験版をダウンロードして使用した。検証に使用したパソコンはPentium 4/3.20GHzのCPU、2GBのメモリを搭載し、OSはWindows XP SP3をインストールしている。
ESET Smart Security | ノートン インターネット セキュリティ2009 |
|
インストールにかかる時間 | 1分45秒 | 48秒 |
インストール後の Windows起動時間 |
1分1秒08 | 54秒76 |
システムの 完全スキャンにかかる時間 |
18分30秒70 | 31分6秒62 |
標準検査にかかる時間 | 20分35秒 | 33分98秒 |
圧縮ファイルの スキャンにかかる時間 |
0秒9 | 0秒5 |
インストールにかかった時間は、ESET Smart Security(以下、ESS)が1分45秒だったのに対し、ノートン インターネットセキュリティ 2009(以下、ノートン)は48秒であった。ノートンは最新バージョンで、インストールが速くなったことや動作が軽く高速化されたことを強調しており、その結果が表れた形だ。なお、インストールに関しては双方ともスムーズに行うことができ、操作に悩むようなことはなかった。
インストール後のWindowsの起動時間は、ESSの1分1秒08に対しノートンは54秒76と、ここでもノートンの高速化が実証された。システムの完全スキャンにかかった時間では、ESSが18分30秒70、ノートンが31分6秒62と大きな差が現れた。これはスキャンしたファイルの数にも差があるため、スキャン方法に違いがあるのかも知れない。ちなみに標準検査(ノートンではクイックスキャン)では、ESSが20分35秒、ノートンが33分98秒であった。
さまざまなファイル52個をLZH圧縮したファイル(500KB)のスキャンでは、ESSが0秒9、ノートンが0秒5と、ノートンに軍配が上がった。一方、アプリケーションの起動時間はESSの方が概して高速な結果となった。これはOfficeのWord、Excel、PowerPointのファイル、およびInternet Explorerのアイコンをダブルクリックし、それぞれアプリケーションが起動するまでの時間を計測したもの。2回目以降は高速になり差も小さくなったが、1回目の起動には2秒近い差が出ている。