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作りながら学ぶJavaアプリケーションフレームワーク

Struts 2入門(7)~データ連携の仕組み~

作りながら学ぶJavaアプリケーションフレームワーク (7)

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 本連載では、オープンソースのサーバサイドJava向けWebアプリケーション・フレームワーク「Struts 2」を、実際に動作するアプリケーションと共に解説していきます。 第7回目の本稿は、ActionクラスとViewレイヤーでデータを連携する仕組みと、データベースとの連携方法を解説します。

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はじめに

 「Apache Struts」(以下、Struts)とは、サーバサイドJava開発のデファクトスタンダードとしてあまりにも有名な、オープンソースのWebアプリケーション・フレームワークです。本連載では、そのStrutsの次世代バージョンであるStruts 2を、実際に動作するアプリケーションと共に解説していきます。

 第7回目の本稿は、ActionクラスとViewレイヤーでデータを連携する仕組みと、データベースとの連携方法を解説することにします。なお、今回のサンプルアプリケーションも、バージョン2.1.6を使用して、「Zero Configuration」の形式としています。

対象読者

 サーバサイドJava(JSP&サーブレット)について基本的なことは理解している方を対象とします。

データ連携

 ここまでの連載で紹介してきたサンプルコードでは、ActionクラスとViewレイヤー(JSPページ)でデータを連携する場合、すべて次のパターンでした。

  リクエストのJSPページActionクラスのプロパティに設定結果を表示するJSPページで参照(<s:property>タグを用いる)

 じつはこのフローには、あるオブジェクトの存在が隠されています。直接、JSPとActionクラスがやりとりしているわけではありません。次の図のように、「ValueStack」というオブジェクトがあり、それを介して、データの受け渡しを行っています。

データフロー
データフロー

 つまりJSPは、インターセプターを通じてValueStackに値を積み上げ、そのあとValueStackから値を参照しているのです。また、ValueStackは、Actionクラスに設定する値だけのものではなく、さまざまなオブジェクトの保管場所になっています。JSPページのタグで参照しているのは、実際にはValueStackであり、Actionクラスのプロパティ以外も参照することができます。

ValueStackの構造

 ValueStackには、次のように、それぞれ異なるスコープを持つオブジェクトが保管されています。

1. 一時オブジェクト

 JSPページで作成されたオブジェクトです。例えば、<s:url id ="link" action="sample">とすると、「sample」という値をもつ一時オブジェクトが生成されます。

2. Modelオブジェクト

 Modelオブジェクトについては後述します。

3. Actionオブジェクト

 Actionクラスのオブジェクトです。

4. 名前指定オブジェクト

 ValueStack内にデフォルトで生成されるオブジェクトです。requestや、parametersなどがあり、JSPページでは、OGNL式を用いて、「#parameters.sample」のようにしてアクセスします。主な名前指定オブジェクトは、次のとおりです。

主な名前指定オブジェクト
変数名 内容
request javax.servlet.http.HttpServletRequestのオブジェクト
session セッション単位で保持されるMapオブジェクト
application アプリケーション単位で保持されるMapオブジェクト
parameters リクエストパラメータのMapオブジェクト

 その他のオブジェクトは、Apache Struts 2 Documentationを参照してください。

 上記1~4のオブジェクトも、一種のMapとして保存されています。オブジェクトが参照される際には、この順番で名前が検索されます。そのため、名前が衝突する場合には、優先順位に注意してください。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 高江 賢(タカエ ケン)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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