セッション単位でModelを保持する方法
セッションにModelを保持すると、異なるリクエストであっても、そのセッション中は同じModelオブジェクトにアクセスすることができます。今回のサンプルのようなフローや、ウィザード形式のアプリケーションでは、便利に使える方法です。
この機能を利用するには、ScopedModelDrivenインターセプターの設定と、さきほどのソースを少し変更する必要があります。
Actionクラス(Books2Action.java)
まず、Actionクラスの定義の直前に、アノテーションでインターセプターの設定を追加します(さきほどのサンプルと区別するために、Books2Action
クラスとしています)。
scopedModelDrivenインターセプターの、scope
パラメータに"session"を設定しています。これで、Modelオブジェクトがセッションに保存されます。デフォルトは、"request"で、リクエスト単位の保存となります。
@InterceptorRefs({ @InterceptorRef(value="scopedModelDriven",params={"scope","session"}), @InterceptorRef("defaultStack") })
さらに、Actionクラスで、ScopedModelDrivenインターフェイスを実装するようにします。このインターフェイスは、ModelDrivenを継承したもので、次のように実装すべきメソッドが少し増えています。
public interface ScopedModelDriven extends ModelDriven { public abstract void setModel(Object obj); public abstract void setScopeKey(String s); public abstract String getScopeKey(); }
scopeKeyというのは、Modelオブジェクトを識別するキーとなるものです。実装は、単に文字列のフィールドを追加して、Setter/Getterを記述するだけです。
実際のキーの値は、Struts 2フレームワークによって設定されます。デフォルトでは、Modelクラス名になっていますが、ScopedModelDrivenインターフェイスのパラメータで、任意の文字列に指定することもできます。ただ通常は、変更する必要はないでしょう。
books2Action
クラスは、次のような実装になります。
public class Books2Action extends ActionSupport implements ScopedModelDriven<BooksModel> { private BooksModel model; private String scopeKey; @Override public BooksModel getModel() { return model; } @Override public void setModel(BooksModel model) { this.model = model; } @Override public String getScopeKey() { return this.scopeKey; } @Override public void setScopeKey(String key) { this.scopeKey = key; } }
インターフェイス以外に、もう一つ、さきほどのサンプルと異なる点があります。それは、このScopedModelDrivenの場合は、ActionクラスでModelオブジェクトをインスタンス化する必要がないことです。フレームワーク側でインスタンス化が行われ、Actionクラスの変数には、setModel
メソッドを通じて、その参照がセットされることになります。
JSPファイルには特に変更はありません。Actionクラスを変更することで、最後の登録画面でも入力値が表示されるようになります。