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作りながら学ぶJavaアプリケーションフレームワーク

Struts 2入門(7)~データ連携の仕組み~

作りながら学ぶJavaアプリケーションフレームワーク (7)

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セッション単位でModelを保持する方法

 セッションにModelを保持すると、異なるリクエストであっても、そのセッション中は同じModelオブジェクトにアクセスすることができます。今回のサンプルのようなフローや、ウィザード形式のアプリケーションでは、便利に使える方法です。

 この機能を利用するには、ScopedModelDrivenインターセプターの設定と、さきほどのソースを少し変更する必要があります。

Actionクラス(Books2Action.java)

 まず、Actionクラスの定義の直前に、アノテーションでインターセプターの設定を追加します(さきほどのサンプルと区別するために、Books2Actionクラスとしています)。

 scopedModelDrivenインターセプターの、scopeパラメータに"session"を設定しています。これで、Modelオブジェクトがセッションに保存されます。デフォルトは、"request"で、リクエスト単位の保存となります。

[リスト9]Books2Action.javaの一部
@InterceptorRefs({
    @InterceptorRef(value="scopedModelDriven",params={"scope","session"}),
    @InterceptorRef("defaultStack")
})

 さらに、Actionクラスで、ScopedModelDrivenインターフェイスを実装するようにします。このインターフェイスは、ModelDrivenを継承したもので、次のように実装すべきメソッドが少し増えています。

[リスト10]ScopedModelDriven.java
public interface ScopedModelDriven extends ModelDriven
{
    public abstract void setModel(Object obj);
    public abstract void setScopeKey(String s);
    public abstract String getScopeKey();
}

 scopeKeyというのは、Modelオブジェクトを識別するキーとなるものです。実装は、単に文字列のフィールドを追加して、Setter/Getterを記述するだけです。

 実際のキーの値は、Struts 2フレームワークによって設定されます。デフォルトでは、Modelクラス名になっていますが、ScopedModelDrivenインターフェイスのパラメータで、任意の文字列に指定することもできます。ただ通常は、変更する必要はないでしょう。

 books2Actionクラスは、次のような実装になります。

[リスト11]Books2Action.javaの一部
public class Books2Action extends ActionSupport
                implements ScopedModelDriven<BooksModel> {

    private BooksModel model;
    private String scopeKey;

    @Override
    public BooksModel getModel() {
        return model;
    }

    @Override
    public void setModel(BooksModel model) {
        this.model = model;
    }

    @Override
    public String getScopeKey() {
        return this.scopeKey;
    }

    @Override
    public void setScopeKey(String key) {
        this.scopeKey = key;
    }
}

 インターフェイス以外に、もう一つ、さきほどのサンプルと異なる点があります。それは、このScopedModelDrivenの場合は、ActionクラスでModelオブジェクトをインスタンス化する必要がないことです。フレームワーク側でインスタンス化が行われ、Actionクラスの変数には、setModelメソッドを通じて、その参照がセットされることになります。

 JSPファイルには特に変更はありません。Actionクラスを変更することで、最後の登録画面でも入力値が表示されるようになります。

登録実行
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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 高江 賢(タカエ ケン)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/4060 2009/07/14 14:00

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