はじめに
本連載では、PHP上で動作するアプリケーションフレームワークであるZend Frameworkについて紹介していきます。今回は、ウェブページへのリンクを管理するためのモジュールであるZend_Navigationについて紹介します。Zend_Navigationを利用することで、メニューや特定のページへのリンクを作成や管理を行うことができます。
対象読者
PHPの基本構文は一通り理解しているが、フレームワークを利用したことはないという方を対象としています。
必要な環境
Zend FrameworkはPHP 5.2.4以降とWebサーバがインストールされている環境で利用可能です。本稿ではWebサーバとしてApache 2.2を、OSにWindows XPを採用し、アプリケーションを作成していきます。
以下に、今回アプリケーション作成/動作確認に用いた環境を示します(インストールにあたっては最新安定版の使用を推奨します)。各項目の詳細なインストール手順は、「サーバサイド技術の学び舎 - WINGS」より「サーバサイド環境構築設定手順」を参照ください。
- Windows XP SP3
- PHP 5.3.0
- Apache 2.2.14
- Zend Framework 1.9.4
LinuxやFreeBSDなどUNIX系OSをお使いの方もコマンドはほぼ一緒ですので、パスなどは適宜読み替えてください。
Zend_Navigationの概要
Zend_Navigationはウェブページへのリンクを管理するためのモジュールです。主な利用方法としては、今表示しているページがウェブサイトの階層構造の中でどこにあるかの表示(パンくずリスト)や、登録しておいたリンク集の一覧の表示(メニュー)が挙げられます(図1)。
今回はZend_Navigationモジュールの基本的な使い方を解説します。リンクに対応するページ(Zend_Navigation_Pageクラスのオブジェクト)や、それらリンクをまとめて管理しておくためのコンテナ(Zend_Navigation_Containerクラスのオブジェクト)を作成する方法や、そのコンテナからHTMLを作成する方法を見ていきます。
Zend_Navigationが導入されたのはZend Frameworkのバージョン1.8からですが、このバージョンのZend_Navigationには、Navigationビューヘルパと組み合わせてのメニューの表示に一部問題がありました。
この問題はバージョン1.9では修正されているので、この記事もZend Framework 1.9.0以降を利用する前提で執筆しています。