また間が空いてしまいましたが、今回は、セプキャン4日目の夜に行われた特別講義と、BoF Part2についてお伝えします。
特別講義~「流行から距離を置くことが必要だった」
(はてなCTO伊藤直也氏)
特別講義は、「ハッカー検事」こと大橋充直さんによる「ハイテク犯罪の現状 ~やって良いことと悪いこと~」と、はてなCTOの伊藤直也さんによる「プログラミングは世界を変える」の2本建てでした。去年までのセプキャンでは、2つの特別講義が同時に行われ、参加者は聞きたいほうを聞くという形でしたが、今年は同じ会場で時間をずらしたことで、2つの講義を聞くことができました。
大橋検事の講義は、毎年おなじみのお題。「セキュリティのスキルは諸刃の剣であり、技術の正しい運用が求められる」――いつの時代も変わらないテーマです。セプキャンの参加者はそういったスキルが高い人ばかりですが、ふと魔がさして道を踏み外さないようにするのがこの講義のねらいです。大橋検事によれば、実際に技術を悪用して、達成感を得たり、お金儲けができたりはするが、結局のところは人生を棒に振ってしまうので損をするからやめましょう、とのことでした。
続いてのはてなCTOの伊藤直也さんの講義「プログラミングは世界を変える」は、去年と題は似ているものの、去年はまだリリース前だった「はてなブックマーク2」の話などが盛り込まれたものです。伊藤さんはこれまで「はてなブックマーク」を作るまでのキャリアを振り返ったうえで、「初めて自分で一から作ったと思えたのがはてなブックマーク」だと言います。また、特に興味深かったのが「技術にまっとうに向き合うためには、流行から距離を置くことが重要」というお話。伊藤さんは、あえて「身内で戯れる」ことを避け、Linuxカーネルの本から負荷分散の基礎を学んだそうです。そして、それこそが本当に必要な技術であることに気づいたのだそうです。セプキャン参加者に対しては、「アイデアだけでは世界は変えられない、プログラミングで世界を変えられる。学び続ける意志は未来を切り開く」とアドバイス。私も含め、ストイックな伊藤さんの姿勢に感銘を受けた参加者も多かったと思います。