はじめに
Struts 2が正式リリースされてから3年ほど経ちました。マイナーバージョンも上がり、現在は2.1系がGA(Generally Available)リリースされており、2.0系に比べてさまざまな改良がされました。続 Struts 2入門では、基本機能のおさらいから2.1系で採用された機能の説明や実装例を紹介していきます。
対象読者
Struts 2のWebアプリケーション開発に興味ある方。
Struts 2のインターセプタとは
Struts 2には、Actionクラスの前後に対して機能を追加できるような仕組みが提供されています。インターセプタについては「Struts 2入門(4)~インターセプタという仕組み~ 」でも取り上げられているように、主に、Actionクラスの実行前に行いたい処理を定義するものです。インターセプトとはアメフトやサッカーで使われる「インターセプト」と同じで、つまり処理の横取りをActionクラスに対して行うものです。
もちろんインターセプタは自作もできますし、既に定義済みのインターセプタに対して設定をするだけで使うこともできます。今回はそのインターセプタの中でもかなり特徴的なExecuteAndWaitインターセプタを紹介していきます。
ExecuteAndWaitインターセプタとは
ExecuteAndWaitインターセプタは、Struts 2に標準搭載されているインターセプタの1つです。用途としては、処理に時間がかかるActionクラスの処理状況を監視し、その結果を自動的に判断するものです。
このインターセプタの優れている点は、インターセプタ用の設定を施すだけで、Actionで実装される処理にはなんら変更をすることなく利用できる点です。従来のJavaアプリケーションではMessageDrivenBeanや独自の簡易ジョブ管理の仕組みを作らなければならず、製造の手間と試験にかかるコストはかなりのものでした。
ここではその利用例を具体的にあげて、この強力かつ便利なインターセプタを紹介していきたいと思います。
必要な環境
最低動作環境は次のとおりです。
- Java SE 5
- Struts 2.1.6が動作する環境
- Tomcat 5.5.x / 6.0.x
開発環境のインストールについては、WINGSプロジェクトの「サーバサイド環境構築設定ページ」などを参考にしてください。
また、Struts 2はダウンロードページから入手できます。現時点での最新リリース版は2.1.8.1です。
ExecuteAndWaitインターセプタの概要
ExecuteAndWaitインターセプタはセッション単位で稼動し、リクエストのあったActionクラスの処理中と終了のレスポンス先を自動的にハンドリングします。クライアント側は同じActionをリクエストするだけで、その進捗経過をレスポンスで判断することができるような機能が提供されています。
また、このインターセプタはセッション単位で稼働するので、ブラウザとの同期処理も簡単に提供できるようになります。後は、クライアント側が定期的にリクエストを投げる仕組みを用意するだけです。