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Visual Studio 2010によるSharePoint 2010開発の基本

SharePoint 2010開発の紹介

Visual Studio 2010によるSharePoint 2010開発の基本(1)

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SharePoint 2010の開発方法

 SharePoint 2010は、豊富な機能を備えているため、そのまま製品として使用するだけでも業務における幅広いニーズに対応できます。とはいえ、ワークフローの作成や外部データとの連携など、より細かなニーズに対応するためには、SharePoint 2010の機能を拡張するための開発作業が必要となってきます。

 SharePoint 2010開発のためには、主に次の2通りの方法があります。

  • SharePoint Designer 2010を使用して、カスタマイズする方法
  • Visual Studio 2010を使用して、プログラミングを行う方法

 SharePoint Designer 2010は、SharePoint 2010をカスタマイズするために提供されている無償のツールです(図3)。

図3:SharePoint Designer 2010の実行例

 SharePoint Designer 2010は、32ビット版と64ビット版が提供されており、以下のURLからダウンロードできます。

 SharePoint Designer 2010により、SharePoint 2010におけるサイトのカスタマイズやワークフローの作成などを、コーディング不要で行うことができます。これにより、開発者でなくてもSharePoint 2010の機能を拡張することが可能となります。しかし、SharePoint 2010の機能をより高度に拡張したい場合には、Visual Studio 2010を使用してのプログラミングによる開発が必要となります。

 本連載では、Visual Studio 2010を使用してのSharePoint 2010開発について、解説していきます。

SharePoint 2010の開発環境を構築する

 それでは次回以降のために、ローカル環境にSharePoint 2010の開発環境を整えておきましょう。無償版のSharePoint 2010 Foundationをインストールする場合は、以下のURLからダウンロードできます。

 SharePoint 2010は、以下の64ビット版のWindows環境で動作します(32ビット版では動作しないので注意)。また、Windows 7およびWindows Vistaは開発環境としてのみ使用可能で、本番の稼動環境としては使用できません。

  • Windows Server 2008 Service Pack 2 x64
  • Windows Server 2008 R2 x64
  • Windows 7 x64(開発目的のみ)
  • Windows Vista Service Pack 1 x64、または、Windows Vista Service Pack 2 x64(開発目的のみ)

 メモリは、SharePoint 2010 Foundationでは最低2GB(推奨4GB)、SharePoint 2010 Serverでは最低4GB(推奨6~8GB)必要です。SharePoint 2010のインストールの前に、いくつかのWindowsの修正プログラムと、SharePoint 2010用の必須コンポーネントをインストールしておく必要があります。

 SharePoint 2010には、必須コンポーネントを一括インストールするPrerequisiteInstalle.exeというツールが付属しています。しかし、開発目的での使用となるWindows 7およびWindows Vistaでは、このPrerequisiteInstalle.exeが使用できないので、必須コンポーネントを1つずつ手動でインストールする必要があります。

 詳細については、MSDNライブラリの「Windows Vista、Windows 7、および Windows Server 2008 で SharePoint 2010 の開発環境をセットアップする」の手順1、手順2を参照してください。インストールの前提条件が整ったら、SharePoint 2010をインストールします。

 Windows 7およびWindows Vistaでは、既定のインストール画面によるインストールが行えません。そのため、コマンドプロンプトから、必須コンポーネントの手動インストール時に作成したSharePoint用インストールフォルダー内のSetup.exeを実行します。

c:\SharePointFiles\Setup.exe

 すると、ライセンス条項を確認するダイアログボックスが表示されます。ライセンス条項を読み、同意したことを示すチェックボックスをオンした上で、[続行]ボタンをクリックします(図4)。

4:ライセンス条項ダイアログボックス
4:ライセンス条項ダイアログボックス

 すると、[インストールの種類を選択してください]というダイアログボックスが表示されます。開発環境として使用するので、ここでは[スタンドアロン]ボタンをクリックします(図5)。

図5:インストールの種類の選択ダイアログボックス
図5:インストールの種類の選択ダイアログボックス

 すると、SharePoint 2010のインストールが開始されます。インストールが完了すると、[構成ウィザードの実行]という表示のダイアログボックスが表示されます。[SharePoint製品構成ウィザードを今すぐ実行する]チェックボックスがオンになっていることを確認し、[閉じる]ボタンをクリックします(図6)。

図6:構成ウィザードの実行ダイアログボックス
図6:構成ウィザードの実行ダイアログボックス

 すると、SharePoint製品構成ウィザードが開始します。[次へ]ボタンをクリックします(図7)。

図7:SharePoint製品構成ウィザード
図7:SharePoint製品構成ウィザード

 いくつかの確認ダイアログボックスが表示される場合がありますが、[OK]や[はい]をクリックします。

 しばらく待つと、[構成成功]という表示のダイアログボックスが表示されます。これで、SharePoint 2010のインストールと構成が完了します。[完了]ボタンをクリックします(図8)。

図8:SharePoint製品構成ウィザードの完了
図8:SharePoint製品構成ウィザードの完了

 すると、ローカル環境におけるSharePoint 2010サーバが起動し、既定のホームページが表示されます(図9)。

図9:起動直後のSharePoint 2010

 最後に、SharePoint 2010 SDKをダウンロードして、インストールします。SharePoint 2010 SDKには、開発者向けドキュメントやコードサンプルが多数含まれています。SharePoint 2010 SDKは、以下のURLからダウンロードできます。

 以上で、SharePoint 2010の開発環境を構築できました。

まとめ

 SharePoint 2010開発の新連載のスタートとなる今回は、SharePoint 2010の概要やSharePoint 2010の開発環境の構築方法について解説しました。これで、次回以降のVisual Studio 2010によるSharePoint 2010開発の準備が整いました。

 次回は、VS2010上でSharePoint 2010のWebパーツを作成する方法について解説します。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 広瀬 嘉久(株式会社ジェイテックジャパン)(ヒロセ ヨシヒサ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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