はじめに
単体テストで最も一般的に行われるものは、あるメソッドを実行させてみてその結果を得るというものです。すなわち、単体テストでは「対象メソッドをテストする」ことが一般的です。このため、単体テストではデータベースアクセスを伴うテストやUI操作を伴うテストをどのようにすればよいかといったことがよく問題になります。データベースアクセスを伴うテストの方法については前回とりあげたのでそちらをご覧ください。もう一つの問題であるUI操作を伴うテストを行うために、Visual Studio 2010から「コード化されたUIテスト」(自動UIテストと呼ばれることもあります。本稿では以降、自動UIテストと称します)という機能が備わりました。
自動UIテストを利用することで、WindowsアプリケーションやWebアプリケーションの画面を操作し、その記録を再生することによってテストを実施できるようになります。UI上のイベントハンドラをテストするために複雑なコードを書く必要なくテストできるメリットに加え、アプリケーションとしての回帰テストに利用できるメリットもある機能となっています。
ただし、残念ながら自動UIテストはVisual Studio 2010 Premium Edition以上に用意されている機能となっています。Professional Editionでは利用することができませんので注意してください。
対象読者
- .NET Frameworkを利用した開発プロジェクトに携わっている方
- Visual Studioの単体テスト機能に興味がある方
必要な環境と準備
本稿で解説する内容を実際に試す場合には以下のいずれかのソフトウェアが必要になります。
- Visual Studio 2010 Premium Edition
- Visual Studio 2010 Ultimate Edition
まだ環境がなく、製品版も所持していない場合には、Visual Studio 2010 Ultimate Editionの評価版をダウンロードして試すことができます。ダウンロードページにはダウンロード手順やインストール手順についての記載がありますので内容を確認のうえ、作業を行ってください。
また、すでにService Pack 1が提供されているので、こちらも適用しておくことをお勧めします。Service Pack 1のインストーラーもダウンロードして入手することができます。
次に本稿で利用するソリューションとプロジェクトです。実際に作業する場合には、本稿に付属の「事前のサンプルファイル(CodeZine-Test-06_before.zip)」をダウンロードし、任意の場所に解答しておいてください。なお、本稿の内容をすべて実施したものを「作業後のサンプルファイル(CodeZine-Test-06_after.zip)」として用意してあります。作業結果を確認したい場合にはこちらのファイルを解凍したものをご覧ください。