アジャイルUXプラクティスを活用したプロダクトの発見
アイデア出し
プロダクトの発見のために、まずは価値があると考えられるプロダクトや機能のアイデア出しをします。そのとき、何の機能か(What)、誰のための機能か(Who)、ビジネス観点からどんなメリットが享受できるか(Why:なぜ作るのか)を整理します。
ワークでは、カーナビのプラグインでかの暗黒卿がナビをしてくれる製品(What)を題材に、Who、Whyについて話し合いました。
ある製品を作ることによって何らかのビジネス上のメリットを得ようとする時に考慮しなくてはいけないのは、価値の源泉は何かということでした。何かを作れば自然にメリットが得られるというわけではありません。その製品がビジネス上のメリットを生むための根拠となる価値の源泉、つまりビジネスターゲットとなるユーザーや顧客のことを考えておく必要があります。ちなみに価値の源泉のことが欠落している考え方を、サウスパークのエピソードになぞらえて「Underpants Gnome Scheme」というようです。
サウスパークのシーズン2エピソード17に「Gnomes」というエピソードがあります。そのエピソードでは、町に小人が現れ登場人物のもとからパンツを持ち去っていくのですが、小人はパンツを集めることがビジネスだといいます。彼らのビジネスプランは以下のとおりです。
- 第1段階:パンツの収集
- 第2段階:?
- 第3段階:収益を得る
しかし、パンツの収集によってなぜ収益が得られるのかは、小人の誰もが知りません。これでは、収益を得られるとはとても考えられません。収益というビジネス上のメリットを得るための価値の源泉が欠落しているわけです。
こうして出されたアイデアは、プロダクトバックログのもとになります。プロダクトバックログのもとができたら、それらを洗練させて開発するべきプロダクトを見つけ出します。そのプロセスの中でアジャイルUXのプラクティスを活用する方法を、ワークでの作業を通じて学びました。その中で印象的だった2つのプラクティスを紹介します。
プラグマティックペルソナ
短期間で作る簡易的なペルソナです。開発者達が考えるユーザー像を元に、名前や顔のスケッチ、プロダクトをどう使うか(コンテキスト)、ユーザーの特性、ユーザーの特性に対してプロダクトが貢献できること(プロダクトの価値)を簡潔にまとめて作成します。
筆者の現場でも、ユーザーがどういう使い方をするのかの認識が合わずに、開発する機能がブレそうになるといったことがよくあります。どんなユーザーがどういう使い方をするのか、皆が常に確認できる状態にしておくのは、開発途中にブレを生じさせないために有効な手段です。
最初から重厚なペルソナを作ろうとすると完成までに時間がかかりますが、プラグマティックペルソナは短時間で作るため、すぐに導入できるところは利点です。実際、ユーザーとの乖離が判明したら、都度修正をしていけば良いのです。
ユーザーストーリーマップ(ジャーニーマップ)
ペルソナで表現したユーザーがある目的を達成するためにとる行動(アクティビティ)を順番に洗い出し、さらにそれを小さな行動(タスク)に展開、そしてそれらの行動に貢献できそうなプロダクトの機能を1つ1つ考えていきます。アクティビティやタスク、機能は付箋に書かれ、壁やボードに貼り付けて管理します。アクティビティはユーザーの行動が最初から最後まで表現されるため、簡易的なワークフローとなり、またプロダクト開発での背骨となります。
こういう形でプロダクトの機能をまとめておくと、プロダクト全体を見渡すことができ、開発する機能が何のためにあるのかというのも分かりやすいです。ただし、ちょっとした規模のユーザーストーリーマップでも、すぐ壁を覆い尽くすくらいの量になります。研修中のワークでも、実際に床に広げてマッピングしました。壁一面を使用できる現場はそうそうないため、狭い場所でうまくやるには付箋を小さめにしたり、ツールを活用したりなど、現場ごとの工夫が必要です。
ちなみに、ジェフは研修2日間のトピックを付箋に書き、ストーリーマップとしてボードに貼り付けて管理していました。
そのほか、情報が不足する場合はユーザーインタビューや現場リサーチを行ったり、高いUXを実現するためには実際にどういった使い勝手になるのか、UIスケッチやペーパープロトタイプを作成して検証します。また、その結果をペルソナやストーリーマップにフィードバックしたりといった作業も行いながらプロダクトの発見を進めていきます。
