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「Adobe Flash Player 11.3/AIR 3.3」概要と新機能
アドビシステムズ Mike Chambers氏 インタビュー


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 先日、Adobe Flash Player(以下、Flash Player)、Adobe AIR(以下、AIR)の最新版を発表したAdobe。新バージョンでは、新機能が搭載され、セキュリティ面が強化された。そこで編集部では、来日した同社のWeb Platform ディベロッパー アドボカシー ディレクター Mike Chambers氏、プラットフォーム エバンジェリスト Lee Brimelow氏に、新機能の特長やFlash Playerのプレミアム機能、さらにモバイルやWindows 8への対応状況を聞いてみた。

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アドビシステムズ社 Web Platform ディベロッパー アドボカシー
ディレクター Mike Chambers氏
アドビシステムズ社 プリンシパルプロダクトマネージャー Flash Platform デベロッパー担当 Mike Chambers氏

最新版「Flash Player 11.3」と「AIR 3.3」の概要

――先日発表された、Flash Player 11.3、AIR 3.3の特長を教えてください

 Flash Player 11.3での一番の大きな特長は、バックグラウンドでFlash Playerのアップデートがかけられるという点です。これまでのように6~8か月、プラットフォームのアップデートを待っていただく必要は無く、Adobe側からユーザーに向けて、新リリースを24時間以内にプッシュできるようになりました。

 ゲームデベロッパに向けた機能も大幅に強化されています。例えば、ブラウザでフルスクリーンにした際、キーボードからの全てのインプットに対応できるようになりました。また、Stage 3Dレンダリングエンジンにも改良を加え、かなり高い性能を発揮しています。

 Stage 3Dとは、GPUアクセラレーションをフル活用した本格的な3Dグラフィックスを提供できるレンダリングエンジンです。この機能により、Flash Playerの中で、コンソールゲーム機レベルの品質をもったグラフィックやゲームが実現できるようになっています。

 そしてもちろん、AIRの最新バージョン3.3でも同様に、Flash Playerでできること全てが実現できます。

――セキュリティの面ではどのような改善が行われていますか?

 セキュリティの問題は、私達にとっても非常に重要だと考えています。なぜなら、Flash Playerはプラグインとしてだけでなく、一般的にもっともたくさん配布されているソフトウェアだと考えているからです。

 新バージョン 11.3の中には「Flash Player Protected mode」が搭載されています。この機能により、外部からの攻撃を受けた場合でも、Flash Playerがサンドボックス内で走るように設定されているため、外にその攻撃が出ていくことはありません。

 また、現在Googleと協業して開発が進められているコードネーム「Pepper」(上条晃宏氏のブログ参照)という新APIでも、ブラウザやOSからプラグインを隔離してサンドボックス化できるようになっています。

――FlashはWindows 8には対応するのでしょうか?また、これまでとの違いは?

 FlashがWindows 8のMetroモード・デスクトップモード両方に対応するということは、既にマイクロソフトから発表されています。デスクトップモードは特にこれまでと違いはなく、Internet Exploler 10(以下、IE10)では、これまで以上にFlash Playerが厳しいサンドボックス内で稼働することになります。

 一方、Metroモードにはコンパチビリティビューリスト(Compatibility View List)が存在し、その中にFlashも加えられています。HTMLでもFlashでもユーザー側にきちんと表示されるよう担保されることをマイクロソフト側は意図して、このようなリストが存在するのだと思います。

 Adobe社としては特にオフィシャルでの発表はまだ行っておりませんが、FlashがWindows 8で使えることは確かなので、Flashを使っている開発者の方々には朗報と言えるでしょう。

 また、MetroではIEだけが唯一のブラウザではなく、Google ChromeなどもMetroで使えるようになっています。今はまだ初期のビルドではありますが、Flashがそのような他のブラウザ上で稼働できることも確認されています。

 もともとマイクロソフトは、Metro上ではいかなるプラグインも使えないと発表していたため、ユーザーやデベロッパの方々から「それでは困る」という意見が多かったのではないでしょうか。そのため、Flashは例外として、Metro上で使えるようになったという経緯ではないかと感じています。Adobeは今後も、皆さまにとってよりよいユーザーエクスペリエンスを提供できるよう、マイクロソフトと協業していきたいと思っています。

――AIRのモバイル対応に関しては、どのような強化が行われていますか?

 iOS向けの開発に関しては、皆さんによりよい開発者体験を提供することに注力し、改善を加えました。例えば、USB上でアプリがデバックできるようになり、ネイティブのiOSシミュレータ上でアプリのテストも可能となっています。また、Android版においてはスタイラスのサポートも行っています。

 Adobeでは、常に各モバイルOSの最新バージョンに対応していくことも大切だと考えています。新しい特長が出てきたとき、開発者がそれにすぐ対応し、開発に着手できるような環境を提供することが重要だと考えているためです。iOS 6対応やAndroidについても、まだ正式には発表されていませんが、常に最新版に追随していく予定です。

 また、ネイティブエクステンションという特長も持っているため、iOSに直接アクセスする小さいコードを書くこともできます。たとえ、AIRが最新の機能に対応していない場合でも、開発者は最新の機能にネイティブエクステンションによってアクセスできるようになります。

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