プロファイル情報のカスタマイズ手順
前回まででASP.NET Identityの立ち位置とその大まかな仕組みを学びました。今回からは、より実践的な内容に入っていきましょう。
まず今回は、必要なプロファイル情報を追加し、画面を使って編集できるようにしてみます。標準ではプロファイル情報としてユーザー名だけしかありませんが、実際のアプリケーションでは、他にも追加の情報を扱いたい場合がよくあります。
プロファイル情報を追加するには、次の手順で作業を行います。
- ApplicationUserクラスの変更
- データベースのユーザー情報テーブルの変更
- ユーザー情報管理画面の変更
今回は姓、名、誕生日をプロファイル情報に追加することとします。それぞれの手順を順番に細かく見ていきましょう。
なお、今回は先日リリースされたVS2013 Update 2のテンプレートによって新たに作成したプロジェクト「CustomizedProfileFormSite」に対して変更を加えていきます。大まかな構造は前回までのIdentity 1.0のサンプルと変わりはありませんが、新機能追加に伴い変更された箇所もいくつかあります。詳しくは次回以降取り上げますので、楽しみにお待ちください。
ApplicationUserクラスの変更
前回述べたように、ASP.NET Identityではユーザー情報をModels\IndentityModels.csファイルに定義されたApplicationUserクラスで扱います。プロファイル情報をカスタマイズするには、最初にこのApplicationUserクラスに必要なプロパティを追加することから始めます。
追加するのは姓、名、誕生日なので、それぞれのプロパティを自動実装プロパティとして追加します(リスト1)。
public class ApplicationUser : IdentityUser { public string FirstName { get; set; } public string LastName { get; set; } public DateTime? Birthday { get; set; } public Task<ClaimsIdentity> GenerateUserIdentityAsync(ApplicationUserManager manager) ...
なお、姓、名、誕生日いずれも任意入力項目扱いとします。そのため、誕生日はnull許容型にしています。