SoftLayer採用のメリットと苦労した点とは
セッション後半のテーマは「SoftLayerを利用した理由と苦労した点」について。
MNUの石橋氏は「SoftLayerがあったからPBOXができた」と語った。ObjectStorageがデフォルトで用意されており、非常に使いやすい上に安い。以前はシンガポールや香港のサービスしか使えず、やや遅いと感じていたが、最近できた東京のサーバーは結構速い。
また石橋氏は、サーバー構成の自由度が高いことも評価している。CPUやハードウェアのスペックのほか、ネットワーク構成でもかなり自由度が効き、プライベートのネットワークをクラウド上に構築できる。
さらに、コミュニティに勢いがあり、今ならコミュニティのコアメンバーになれるチャンスかもしれないと語る。実際、石橋氏がデブサミで話しているのは、コミュニティ活動のおかげだ。
苦労した点はまず、APIリファレンスを見てもよく分からなかったことだ。たとえばObjectStorageのオーダーAPIの引数の説明がまったく無いために一苦労した。また、APIが熟成されていないと感じている。Python版クライアントの問題かもしれないが、オーダーAPIの引数が多いことも一因だ。そのほかでは、verifyOrderレスポンスで空文字だった部分をnullに直してplaceOrderに渡さないとエラーが出ることも挙げられる。
エクストリームデザインの柴田氏が感じているSoftLayer採用のメリットは、第一に、純粋なIaaSであるということが挙げられる。パーツを選び、プラモデルのように自由に組み立てることができることから玄人向きともいえる。第二は、物理環境であるベアメタルのパフォーマンスだ。さらに、揺らぎがあまりなく、安定している。また、起業家支援とコミュニティの充実も評価しているところだ。
苦労している点は、APIが非常に充実している一方で、「取扱説明書」が充実していないことだ。そのためAPIのリファレンスの充実を希望している。また情報はすべて英語なので、これに関しては、自分が日本語でSoftLayerの情報を発信していきたいと考えている。
そのほかではCLI(slコマンド)が2種類あり、微妙に仕様が違う。そのため、コミュニケーションに支障がある場合がある。
クリエーションラインの前佛氏は「取りあえず使ってみませんか」と呼びかけた。東京にデータセンターができたことは大きいし、独特の作法がない点を気に入っている。物理サーバーのようにインスタンスが使いやすいうえ、直感的にリソースの変更ができる。
また利用料金を見積もりやすい。データベースをどれだけ叩いても、内容課金は無いし、データセンター間の通信にも課金されないのも利用しやすい点である、とした。
最後に北瀬氏が日本SoftLayerユーザー会の活動を紹介し、セッションを終えた。
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