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【デブサミ2015】19-C-2 レポート
Visual Studioなら既存スキルを生かしてクロスプラットフォーム開発ができる

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2015/04/07 14:00

 スマートフォンやタブレット端末などの普及により、ソーシャルゲームなどの一般向けはもちろんエンタープライズのアプリケーション開発の現場でも、Windowsをはじめ、iOSやAndroidなどに対応することが求められている。しかしながらこれまでそれらの開発をするには、それぞれに適した開発環境を用意し、エンジニアは開発に必要となるスキルを身につけなければならなかった。得意な技術でクロスプラットフォームのアプリケーションを作ることができれば。そんなエンジニアの思いが現実となる開発環境が、マイクロソフトのVisual Studioである。最新バージョンVisual Studio 2015について、日本マイクロソフト エバンジェリストの高橋忍氏が解説した。

目次

 本内容をダイジェストでまとめたトレーニングビデオが公開されています。 こちらも合わせてご参照ください。

日本マイクロソフト エバンジェリスト 高橋 忍氏
日本マイクロソフト エバンジェリスト 高橋 忍氏

 昨年11月にプレビュー版が公開されている「Visual Studio 2015」。その最新版のVisual Studioではどんなことができるのか。

 「今のVisual Studioを伝えるために今日は来たが、30分前に再インストールをしたので、ちゃんと動くか不明。そんなドキドキのライブ感を楽しんでほしい」

 冒頭で会場の笑いを誘い、高橋氏のセッションは始まった。

 マイクロソフトは昨年、技術畑出身のサティア・ナデラ氏が新CEOに就いた。「彼はモバイルファースト、クラウドファースト、そして伝統よりも市場にインパクトを与える変革を重視する、という言葉を発している。それを具現化するいろいろな製品がマイクロソフトから出てきている」と高橋氏は延べ、マイクロソフトが従来に比べよりオープンになってきているという。iPadやAndroid向けのOfficeが登場したのはその一例だ。

 エンドユーザー向けだけではなく、開発者向けの製品に対しても、近年は非常に注力している。.NET Coreをオープンソースとして展開する「.NET Open Source」などはその表れだという。またクロスプラットフォームの開発も進んでいる。というのも、従来とは異なり、今、95パーセント以上のユーザーにリーチするためには、Windowsはもちろん、Mac OS X、Android、iOSのユーザーも視野に入れる必要があるからだ。

Visual Studioのクロスプラットフォーム開発環境
Visual Studioのクロスプラットフォーム開発環境

最新のVisual Studioはクロスプラットフォームに対応

 マイクロソフトが提供するVisual Studioは、デスクトップで動くWindowsアプリケーションとWindows Storeで公開するアプリケーションという、2種類のWindowsアプリケーションのための開発環境だった。しかしその最新バージョンのVisual Studio 2015 Previewでは、「.NETのオープン化、クロスプラットフォーム対応、IDEとしての各種機能強化が行われている。特にクラスプラットフォームについて、まずはこの最新バージョンで何ができるのかを紹介していく」と高橋氏はVisual Studio 2015について解説を始めた。

 Visual Studio 2015の特徴の第一は、CordovaのWebViewを使うことで、HTMLおよびJavaScriptでAndroidやiOSアプリケーションが作れるようになったことだ。第二はXamarinを使うことで、C#でAndroid、iOSアプリが開発できるようになったこと。そして第三は、「C++でネイティブのAndroidアプリが作れるようになったこと。これが一番、私が衝撃を感じた」と高橋氏は力強く語る。このように積極的にオープンソースのテクノロジーをいろいろ取り込むことで、Visual Studioでクロスプラットフォーム開発の環境を実現した。

 加えて高橋氏が感動したというのが、「セットアップの容易さ」だという。「プラットフォームと言語の環境を選んで、セットアップボタンをぽんと押せば、コーヒーを入れて休憩している間にセットアップが終わるというお気楽な環境になっている」と高橋氏は強調する。Visual Studio 2015ではAndroidのSDKなど、クロスプラットフォーム開発に欠かせないサードパーティのコンポーネントについては、セカンドインストールという形でインストールされる。「これだけでもこの環境を使った方が絶対良いと言い切れるほど、良くできている」と高橋氏は胸を張る。

 具体的な仕組みの紹介として、最初に高橋氏が取り上げたのは、Xamarinを使った開発方法についてである。XamarinはVisual Studioに半分組み込まれた形になっており、これを使うことですべてのAPIが使えるなどフルネイティブなアプリケーションが開発できる。ただし、セットアップの際に注意が必要になる。Visual Studioをただインストールするだけでは、Xamarinはインストールされないからだ。プロジェクト作成時にインストールポイントに誘導され、Xamarinをセットアップ。そのままセットアップしてもVisual Studioに組み込まれない。「インストールアプリの変更で『Xamarin for Visual Studio 2015』を追加すること」と高橋氏は注意を促す。

 Visual StudioにおけるXamarinの仕組みは次のようになる。「UI開発においてはiOSならiOSの、AndroidならAndroidのネイティブの作法に則る。そしてビジネスロジック部分はC#と.NETの作法に則ることになる」と高橋氏。例えばWindowsアプリを開発する場合、UIはVisual Studioでもできるが、Blendというツールを使うこともできるという。デバッグはWindows Simulatorを使う。またAndroidのUI開発については、画面デザインはAndroid Designer、デバッグはAndroid Emulatorを利用する。「ポイントはiOSのアプリ開発だ」と高橋氏は続ける。iOSアプリ開発の場合、最終的にはMac OS X上での開発環境Xcodeが必要になるからだ。「よく聞くのはMac OS X上にWindowsのバーチャル環境を構築し、Visual Studioを動かすという方法」と高橋氏。この方法を採用することで、1台のマシンでXamarinを使いC#で開発できるようになるというわけだ。

 ここまで説明したところで、実際にVisual Studio 2015を起動させ、Androidアプリを開発するデモを実施。しかし冒頭でことわりをいれたことが現実に。30分前の再インストールがあだとなったのか、UIの画面は映らないという事態に。「きれいなUIの画面が見えているということにして」と一か八かコンパイルしてみる高橋氏。うまくいき、エミュレータでアプリケーションの動作を披露。「実機と比べると速度や安定感は劣るが、エミュレータでも十分、検証できる」と高橋氏。今回、デモを行っているマシンのOSはWindows 10。これについても「10はいいですよ。ぜひ使ってみて」と宣伝を忘れなかった。

 Xamarinでの開発方法については、「Microsoft Virtual Academyでも紹介しているので、参考にしてほしい」と言う。


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  • CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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