米Googleが中心となって開発を進めている、オープンソースのコンテナ・オーケストレーションシステムの最新版「Kubernetes V1」が、7月21日(現地時間)に公開された。あわせて、米Google、Linux Foundationを含む多数の企業や団体が参加する、Kubernetesをはじめとするコンテナ技術のサポートを行う団体としてCloud Native Computing Foundation(CNCF)を設立する。
「Kubernetes V1」は、400余りのコミッターから14000を超えるコントリビュートを受けて完成したもので、DNSやロードバランサ、スケーリング、アプリケーションレベルのヘルスチェックといったアプリサービスやネットワーク機能、Google Compute Engineで用いられるようなディスクの使用、AWS Elastic Block Store、NFSといったローカルおよびネットワークストレージ機能を含む。
さらに、pod内での関連コンテナのグループ化によって、アップデートやロールバックを容易にするとともに、コマンドの実行やポートフォワード、ログ収集によるアプリケーションの検査やデバッグ、およびCLI/GUIでのリソース監視に対応する。クラスタは、ダイナミックにスケール可能で、namespaces機能を使ってアプリケーション単位やテスト/本番環境といった、パーティショニングができる。
性能面では、スケジュール化されたコンテナによって高速なAPIレスポンスを実現した。また、スケール1クラスタあたり1000コンテナの100ノードでのテストを行うなど、高い安定性を誇る。また、安定APIは標準で非推奨ポリシーを採用する。
新たに設立するCloud Native Computing Foundation(CNCF)には、米Google、Linux Foundationのほか、Docker、IBM、VMware、Cisco、Joyent、CoreOSなど、多数の企業が参加しており、その活動の第一歩として、将来のKubernetesの開発を統括するとともに、パブリック/プライベートクラウドやベアメタルといった、Kubernetesを支えるインフラの整備を行う。
なお、Kubernetesは開発の初期段階であり、CNCFは技術的なコミッタとして、コミュニティに対してより強固なコンテナを実現するソフトウェア開発のための支援を提供する。また、関連プロジェクトの査定なども行っていく。
【関連リンク】
・Kubernetes(英語)
・Cloud Native Computing Foundation(英語)
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