GcMultiRowコントロールの概要と機能
GcMultiRowコントロールは表形式でデータを表示、入力するグリッドコントロールを提供します。このコントロールは、1レコードを複数行で表示する複雑な表画面や明細画面を持つアプリケーションの作成に適した機能を提供しています。
データ連結
GcMultiRowコントロールは、3つのデータ連結モードをサポートしており、用途に合わせて最適なモードを選択できます。
アンバウンド(非連結)モード
アンバウンドモードは、比較的少量のデータを表示するのに適しています。
このモードでは、データソースに直接接続せず、すべてのデータをGcMultiRowコントロール内に保持します。このモードは、表形式のデータを表示専用で提供する場合や、データソースとの接続を独自にコーディングする場合に使用できます。
バウンドモード
バウンドモードはデータソースに接続し、データの同期と読み書きを行う場合に適しています。.NET Frameworkの標準コントロールと同じようにADO.NETを使用してデータベースに接続できます。
このモードでは、すべてのデータはデータソースに保持され、必要に応じてGcMultiRowコントロールの値が自動的に更新されます。GcMultiRowコントロールでデータを変更した場合も、自動的に反映されます。このモードは、一般的なデータベース アプリケーションの構築に使用できます。
仮想モード
仮想モードは大量のデータを高速に扱う場合に適しています。
このモードでは、GcMultiRowコントロールはデータを自動的にグリッドに読み込みません。開発者は、すべてのデータの更新や反映のタイミングをコーディングしてデータの表示や転送を指示します。このモードは、必要最小限のデータのみを保持してパフォーマンスを改善する用途に適しています。
ファイル入出力
GcMultiRowコントロールは、テンプレートのレイアウトおよび名前付きセルスタイルをXMLファイルとして保存し、読み込むことができます。XMLファイルはテキストであるため、テキストエディタやXMLエディタで表示し、変更点や差分を直接確認することもできます。
また、行セクションに配置されたセルのデータをCSV形式(カンマで区切られたデータ)で出力できます。
行セクションに配置されたすべてのデータを出力するには、SaveTextFileメソッドを使用します。
SaveTextFileRangeメソッドを使用すると、出力対象データを行単位で指定できます。SaveTextFileRangeメソッドではデータを出力する開始行と終了行を指定します。
CSV形式で出力するデータに対して、行や列の区切り文字、CSVファイルのエンコード形式などを設定できます。
出力オプションは、行セクションの全データの出力(SaveTextFileメソッド)と指定した行範囲のデータ出力(SaveTextFileRangeメソッド)でそれぞれに設定できる項目が異なります。
SaveTextFileRangeメソッドでは、次の項目を出力ファイルに指定できます。
- 出力ファイルのパスとファイル名
- 出力ファイルのエンコード
- 行の区切り文字
- 列の区切り文字
- セルの区切り文字
- セルの区切り文字の出力有無
- 行ヘッダセルの出力有無