Continuum、Cortana……Windows 10 Mobileの目玉機能
Windows 10 Mobileにはいくつかの目玉機能がある。まずは「Continuum」。「今のところSnapdragon 617と800シリーズのハイエンド機種でしか使えないが、スマートフォンに外部モニターを接続して使える機能だ」と高橋氏は説明する。つまり外部モニターをフルスクリーンとして使えるというわけだ。Continuumで使えるアプリはUWPのみとなり、その一つだけを全画面で起動できる。「出張の際、Windows Phoneとキーボードとマウスを持って行き、ホテルのモニターにつなげば、ちょっとした作業が容易にできるようになる」と高橋氏。
次はCortana。これは音声によるパーソナルアシスタントで、「PCのCortanaと同じ」と高橋氏。「日本語の認識はだいぶよくなったが、みなさんがさらにCortanaと会話すれば認識率が高まるので、ぜひお願いしたい」と高橋氏は会場に呼びかけた。またここで米国のデバイスメーカーSatechiのCortanaを呼び出すための専用ボタン「Satechi Bluetooth Cortana Button」の紹介も。車でWindows Phoneを操作するときに便利に使えるのだそうだ。三番目はWindows Hello。これは生体認証の仕組みで、「虹彩認証の機能を提供している」と高橋氏。
そのほかにもMap機能がBing Mapに変わったことで機能強化されたこと、さらに日本語キーボードも機能が充実していることも見逃せない。例えば日本語キーボードはカーブフリックに対応しており、濁点や半濁音までワンストロークで入力できるようになっているという。さらに英語のキーボードの場合には、単語をおおまかになぞるだけで高速に入力できるワードフローが標準搭載されている。「便利な機能なので、ぜひ使っていただきたい」と高橋氏は語る。またマイクロソフトではWindows 10に関して「こういう機能がほしい」「こうするとより便利になるのに」というフィードバックツールを受け付けており、Windows Phoneからは、電源ボタン+ボリュームダウンの操作でフィードバックツールを立ち上げられるので「気軽にフィードバックを送ってほしい」と受講者に参加を促した。
Windows10 Mobile向けのアプリはUMPで開発してほしい
Windows 10のリリースにより、マイクロソフトの悲願でもあった、一つのOSですべてのデバイスを動かすことができるようになった。Windows 10では既存のアプリ資産はそのまま利用可能となっている。ただし、今後アプリーションを開発する場合は「UWPで開発してほしい」と高橋氏は強調する。その理由は9つある。
第一にすべてのWindows 10デバイスで動作することだ。「これから発売が予定されるHoloLensでも動かせるし、Surface Hubのような大画面でも動かすことができる。どんなアプリでもすごく面白い経験ができるはず」と高橋氏は言う。第二にインストールメディア・ファイルを維持する必要が無いこと。第三はさまざまな画面サイズに対応できること。第四はWindowsストアからダウンロード・アップロードできること。第五は新しいデバイスに対して、アプリをまとめてインストールできること。第六はWindows 10のビルド番号に依存しないこと。
第七はContinuum for Phoneに対応していること。Continuumは先述したとおり、Windows Phoneを外部モニターに接続して、アプリを全画面表示できるという機能である。「例えば外部モニターにはゲームなどのアプリを表示し、Windows Phoneをコントローラとして使うようなことが簡単にできる」と語る。そのような2画面の実装方法については、「簡単なコードだが私のブログの中で紹介している(『UWP を Continuum に完全対応させるには?』)。ぜひそれを参照してほしい」と高橋氏はContinuumの活用についても紹介した。第八は非公開のままWindowsストアにアップできること。第九はビジネスストアを通じて社内専用のアプリも公開・配布ができることだ。
さらに現在、Windows 10では「Bridge」というWebや.NET、Win32、Android、Java/C++など既存のアプリケーションを簡単に移植できるという技術を開発しているという。Windows Bridge for Web Appsは、Webビューを使ってアプリケーション化するという技術。Webサイトをストアへ公開したり、Webサイト上のJavaScriptでUAP API(Universal App Platform API)を呼び出せたり、Webサイト上でネイティブとの混在が可能になったりするという。「これはコードを1行も書かずに設定するだけ。Channel9の『VS魂』でデモを交えて詳細に紹介しているので、そちらを参照してほしい」と高橋氏。
さらにもう一つ「Windows Bridge for iOS」についても簡単に説明。これはObjective-CのXcodeプロジェクトをVisual Studioに読み込んでコンパイルすることでUWPのアプリが作れるという技術。現在開発中だが、その進捗を含めGitHubで公開している。まだ使い物にならないかもしれないがという前置きをしながらも「ぜひ、Objective-CのiOSアプリを開発している方は、ライブラリを試して、その結果をフィードバックしてほしい」と語る。
日本でもWindows Phoneのデバイスが続々と登場しているが、アプリケーションはまだまだ足りない。「UWPのアプリケーションを作っていただき、Windowsモバイルを盛り上げてほしい」高橋氏は最後にこう会場に呼びかけ、セッションを締めた。
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