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![]() 柳井です。 先日、夢枕獏の「風果つる街」を読了しました。真剣師と呼ばれる、在野の将棋指しの話です。主人公は賭け将棋一本で生活する老人。彼が日本中を放浪しながら将棋に取り憑かれた人々と交わります。 その小説の終盤にゾクリとする瞬間がありました。何かが噛み合った一瞬です。これまでばらばらに提供されていた情報が、カチリと音を立てて噛み合い、一気に世界が組み変わる体験です。 映画、マンガ、アニメ、ゲームなど、物語を描くエンターテインメントは数多くあります。私はそのなかでも、小説が一番こういった感覚が強く鋭いと思っています。それは、読む速度が圧倒的に遅く、「あっ」と思った瞬間に読むことを止めることができるからです。 急ぐのではなく、あえて時間を掛けて伝えることで「気付きの瞬間」を強調する。そういった仕掛けは、ソフトのインターフェースにも使えると思います。 |
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