AWSは1月14日(現地時間)、欧州向けの独立運用型クラウド「AWS European Sovereign Cloud」を全顧客に対して一般提供開始したと発表した。欧州連合(EU)規制に対応したデータ主権、運用独立性、ガバナンス確保のため、欧州域内のみで構築・運用される物理的・論理的に分離されたインフラとなっている。
「AWS European Sovereign Cloud」初めてのリージョンはドイツ・ブランデンブルク州に設置され、既存AWSリージョンとは独立して運用される。複数のアベイラビリティゾーンを持ち、停電や外部接続障害時にも継続稼働が可能な冗長設計がなされている。今後、ベルギー、オランダ、ポルトガルへ主権対応ローカルゾーンの拡大計画も公表されている。
AWS European Sovereign Cloudは、EU域内居住EU市民によって運用され、日常業務、技術サポート、顧客対応まで全て欧州で完結する運用体制となっており、運営は欧州の法律に基づく法人が担当する。また、独立したIAMや課金システム、欧州内のみからアクセス可能とする技術制御、専用の証明書発行やRoute 53ネームサーバーなど、徹底したデータ管理・ガバナンスが特徴となっている。
セキュリティとコンプライアンス面では、従来のAWSと同様の暗号化、鍵管理、アクセス制御、AWS Nitro Systemによる計算資源の隔離などを備える。第三者による監査、ISO/IEC 27001:2013やSOC1/2/3レポート、BSI C5認証などの各種コンプライアンスにも対応。独自の「Sovereign Reference Framework」により、透明性の高い主権コントロール区分を定義している。
リリース時点でAmazon SageMaker、Amazon Bedrockを含むAI/MLサービス、EC2、Lambda、Auroraなど主要サービス全般が利用可能。主要パートナーのソリューション提供も進められ、欧州企業・公共機関のモダナイゼーションやクラウド移行を強力に支援する構えだ。今回のクラウド構築には総額78億ユーロを投資し、2040年までに欧州経済へ172億ユーロの波及と年間約2800の雇用創出を見込んでいる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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