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イベントレポート

アプリ開発企業がAI「Zinrai」をリアルに検証! 見えてきたビジネス活用の可能性


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 AI技術によるビジネス変革やサービス創出が世界的に注目を集める一方、実際にどのような方法で自社のビジネスに新しい技術を活用していくべきか、戸惑う声は少なくない。そんな中、12月7日に開催された富士通の開発者向けイベント「MetaArc Developers Connect」で、「アプリ開発会社が富士通のAI『Zinrai』を使ってみた」と題したセッションが行われた。「Zinrai」は、富士通が独自のAIに関する技術とナレッジをベースに、顧客企業のAI活用を加速させるための機能とサービスを、導入から活用にいたる全サイクルにわたって提供する統合プラットフォームだ。Zinraiを利用することで、どんな効果があるのか。AI関連のアプリ開発に大きな実績を持つ株式会社ジェナ代表取締役社長の手塚康夫氏が、自らZinraiを利用して体感したビジネス活用の可能性について真率に語った。

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AIの豊富な経験を生かしたチャットボットサービスをリリース

株式会社ジェナ 代表取締役社長 手塚康夫氏
株式会社ジェナ 代表取締役社長 手塚康夫氏

 法人向けのスマートデバイスを対象としたアプリケーション開発で大きな実績を持つ、株式会社ジェナ(以下、ジェナ)。同社ではAIや IoT、ロボットなどの先端技術を使ったアプリケーション開発に、早くから取り組んできた。

 さらに同年11月には自社開発のAI チャットボットサービス「hitTO(ヒット)」の提供を開始した。これはチャット形式の対話型インターフェースを使った営業支援システムや、特定業務の機械化等の社内向けシステム。さらにはWebサイトを通じたオンライン接客や問い合わせ対応など幅広い領域への活用が可能で、他の業務アプリケーションとの連携も含めた社外向けのサービスを、簡単かつスピーディーに開発可能だ。

 顧客対応の現場では、何度も同じ質問を繰り返されることによる業務効率の低下や、対応する人手の不足などがしばしば起こる。またノウハウが属人的で特定の人しか対応できず、同じ課題が繰り返し発生するのにもかかわらずノウハウを共有できないといったケースがありがちだ。

 「その点、hitTOはAIによる自動応答システムなので、自然な会話形式でユーザーとやりとりできるだけでなく、対応を繰り返すことでどんどんAI 自身が学習し成長していくのが大きな特長です」

 hitTOの主な機能面の特長としては、①学習データの作成、編集、フィードバックなどの多彩な機能をブラウザから簡単に運用できる ②専任スタッフがサポートするので安心して利用できる ③標準提供のAPIと外部サービスを連携させて、自社専用のチャットボットサービスを簡単に作成できる の3つが挙げられる。

 「これらの特長によって、hitTOはビジネスのさまざまなシーンに広く活用いただけます。例えばヘルプデスク業務の自動化や営業支援ツール、またお客さまからの問い合わせに自動対応するオンラインツールなどが代表的なユースケースになります」

これまでのAIプラットフォームにはない安心感と柔軟性

 手塚氏が富士通のZinraiを知ったのは、エンドユーザー/パートナーとのCo-Creationの実現を目指して結成された、富士通のクラウドコミュニティ「K5 Tech Talk」への参加がきっかけだった。ここで初めて目にしたZinraiに関心を抱き、およそ2か月半にわたってZinraiのサービスを各種 API の中で検証することになったのだ。

 手塚氏がZinraiに関心を持った背景には、これまでのAIプラットフォームにはない、いくつかの特長に対する期待があったという。

 「まず一つは、国内企業クラウドサービス提供会社する日本語環境が使えるということです。海外のクラウドサービス提供会社と比較すると日本語対応したサービスの提供が充実しているのではないかといった期待があります。さらにチャットボットなどを開発する場合も、もともと日本製ならば日本語の認識精度も高いだろうという期待を抱いたのです。加えて、国内にさまざまな顧客を持つ富士通の導入実績をもとに、Zinraiを使ったサービスへの顧客ニーズにも柔軟に対応してくれるのではないかと考えました」

 また海外発のサービスの場合、ある日突然「この APIはなくなります」といった事態をいつも心配していなくてはならないが、富士通ならばそうした将来にわたる製品のライフサイクル継続や、投資保護の点でも安心だと手塚氏は話す。

 通常の開発プロジェクトの場合、ジェナは顧客の要件定義やUI/UX設計の部分を主に担い、実装やプログラミング、バックエンドのサーバー開発などはSIerと共同で行うケースが多い。今回のZinrai検証プロジェクトでは、実装部分を株式会社TOKAIコミュニケーションズが担当し、両社の共同推進による検証プロジェクトとして進められた。

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この記事の著者

工藤 淳(オフィスローグ)(クドウ アツシ)

出版社や制作会社勤務の後、2003年にオフィスローグとして独立。もともと文系ながら、なぜか現在はICTビジネスライター/編集者として営業中。 得意分野はエンタープライズ系ソリューションの導入事例からタイアップなど広告系、書籍まで幅広く。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/10605 2018/02/20 14:46

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