機械学習を支える大学数学の一分野、確率統計学。数学を学び直したいと思っているのになかなか始められない方のために、翔泳社では『技術者のための確率統計学』を9月18日に発売しました。『技術者のための基礎解析学』『技術者のための線形代数学』と合わせて学び直すことで、厳密な数学を通して機械学習を理解する土台ができ上がります。
『技術者のための確率統計学 大学の基礎数学を本気で学ぶ』は、直感的に理解しづらい確率空間の仕組みを理論的に理解することができる1冊。本書では確率モデルの目標を「コンピューターの乱数によるシミュレーションで現実世界の不確定な現象を再現する」ことと定めています。
本書では基礎となる確率モデルの考え方から解説し、確率モデルを数学的に表現する確率空間をきちんと定義します。そのうえで、条件付き確率などの基本的な計算や、確率変数、確率分布の考え方も説明していきます。離散型の確率分布(二項分布など)から連続型の確率分布(正規分布など)、そして仮説検定へと順序を辿って解説するので、なぜそれが成り立つのかをしっかり理解することができます。
また、付録では本書の姉妹編となる『技術者のための基礎解析学』『技術者のための線形代数学』の3編を統合した応用分野としての機械学習について紹介。基礎的なアルゴリズムの原理を数学的な観点で解説します。なぜこれらの数学分野が機械学習を支えていると言われているのか、すっきりと氷解するのではないでしょうか。
著者の中井悦司さんがエンジニアの方々から受け取ってきた「数学を学び直したい」という声に応じて書かれた本書、そして姉妹編。自身の知的好奇心を満たすのはもちろん、技術者としてスキルアップを目指すために、ぜひ活用してください。
目次
Chapter 1 確率空間と確率変数
1.1 確率モデルの考え方
1.2 根元事象と確率の割り当て
1.3 条件付き確率と独立事象
1.4 確率変数と確率分布
1.5 主要な定理のまとめ
1.6 演習問題
Chapter 2 離散型の確率分布
2.1 確率変数の期待値と分散
2.2 共分散と相関係数
2.3 主要な離散型確率分布
2.4 大数の法則
2.5 主要な定理のまとめ
2.6 演習問題
Chapter 3 連続型の確率分布
3.1 連続的確率空間
3.2 連続型の確率変数の性質
3.3 正規分布の性質
3.4 主要な定理のまとめ
3.5 演習問題
Chapter 4 パラメトリック推定と仮説検定
4.1 最尤推定法と不偏推定量
4.2 仮説検定の考え方
Appendix A 機械学習への応用例
A.1 最小二乗法による回帰分析
A.2 ロジスティック回帰による分類アルゴリズム
A.3 k平均法によるクラスタリング
A.4 Pythonによるアルゴリズムの実装例
Appendix B 演習問題の解答
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渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)
翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。
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