-
適用バージョン:Windows 10 version 1809(build 17763)以降
ただし、バックポートはversion 1607(build 14393)以降
はじめに
Windows 10とともにUniversal Windows Platform(UWP)がリリースされたのが、2015年。それから3年、Windows 10はバージョンアップを重ね、それに合わせてUWPも進化し続けてきました。
リリースされた頃にUWPアプリの開発を試してみて、「こんなことも出来ないのか!」/「そんなUIコントロールもないのか!」とがっかりした人もいることでしょう。でも、UWPはすごい勢いで成長しています。Windows 10の大型アップデートが正式リリースされる頃になったら、「Windows 10の新機能(開発者向け)」のページをチェックしてみてください。毎回、フォローしきれないほどの新しい変化があります。
これまでにも、例えば次のような機能が追加されました(この連載で紹介した、ごく一部のものです)。
今回は、1809(17763)で追加された新しいコントロールから、「メニューバー」や「ドロップダウンボタン」などを紹介します。
また、UWPの進化は、Windows 10のアップデートと関係のないところでも行われています。SDKとは別に提供される(ということは、Windows 10のアップデートには縛られない)「Windows Community Toolkit」などのライブラリーや開発用のテンプレート集などです。Windows Community Toolkitの最新版では、ついにDataGridコントロールが登場しました。その使い方も簡単に紹介します。
それらの新しいコントロールを使ったサンプルアプリを次の画像に示します。DataGridコントロールは、コレクションを簡単に表示できるだけでなく、ご覧のように項目の編集もサポートしています。サンプルコードを試すときには、ぜひリリースビルドでの速度も見てください(ネイティブコードにコンパイルされます)。起動時にCSVファイルを読み込んで約1万5千件のデータをDataGridに表示していますが、あっという間です。
こうして新しいコントロールがどんどん増えてきても、「いや、うちは以前のバージョンのWindows 10をサポートしなきゃいけないので、新しいのは使えないよ!」という人もいるでしょう。そんな悩みに答えたのが、1809と同時にリリースされた「Windows UI Library」です。多くのコントロールがバックポートされていて、旧バージョンのWindows 10でも最新のコントロールを利用できます。これについても紹介します。
対象読者
- UWPアプリを作っている開発者
- UWPは不十分だからと敬遠していた開発者
必要な環境
サンプルコード(GitHub)を試してみるには以下の環境が必要です。
- Windows 10 1809以降(NewUI1703プロジェクトだけなら、1703以降)
- Visual Studio 2017 Version 15.8以降(無償のCommunity Editionで可)
- UWP用Windows 10 SDK:10.0.17763以降
なお、サンプルコードには2つのプロジェクトが入っています。