会社が大切にすることに共感できるか
まず「REALITY」は、現場やユーザーを徹底的に理解することに時間を割き、「自分たちが幸せにしたい人」の現場と課題を共有することだ。泉氏はチームメンバーに対し、現場に同行してもらったり、当事者と話をさせたり、写真を撮影して見せたりといったことを意識して行っている。
「課題を解決できない、役に立たないものを作るのは双方にとって不幸なことです。事業的に価値がないだけでなく、エンジニアにとってもつまらないでしょう」
そして「SYSTEM」は、力技ではなく仕組みで解決すること。課題解決の際は「とにかく人を増やしてがんばろう」と人海戦術をとり、精神論的な話に陥りがちだ。だが技術を使い、一人ひとりの生産性を上げることができるのではないか。それを考えるのがエンジニアの醍醐味とも言える。
3つ目「COOPERATION」は「誰か一人ではなく、チームで考える」だ。一人でできることにはどうしても限界がある。そこでラクスルでは、チーム開発を基本とし、ディスカッションをしながら進めることを重要視している。ここで大切になるのが、「似ている人同士が集まるのではなく、多種多能を混ぜ、いろいろな視点を入れること」だ。
例えば、ラクスルの協働の場である「デザインスタジオ」では、ビジネスアーキテクトやプロダクトマネジャー、デザイナー、エンジニアが同じ場に集う。そして、課題を共有しながら解決策をディスカッションし、実現方法を見いだしていく。また、プログラミングについても数人で集中してディスカッションしながら進める、モブプログラミングの手法をとることがある。
一方、半年に1回開催される「ハックウイーク」では、事業を止めて1週間ほどかけ、自分たちがやりたいことを開発する。ここでも、立場を越えた多様なメンバーが集まり物事を決めていく。
ラクスルにおけるこの3つの行動規範は、ソフトウェア開発業務のときだけでなく、一人ひとり仕事をする、広い意味での自己実現のドライバーになっている。
最後に泉氏は「『想像する世界を作りたい』という思いと、それを実現できることがエンジニアの醍醐味であり、キャリアを築く上での源泉となることは間違いありません」と改めて語った。それを端的に伝える言葉としてピーター・ドラッカーの「未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ」という言葉を紹介し、セッションを締めくくった。
お問い合わせ
ラクスル株式会社