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HTML・JavaScriptの処理で表現力豊かな帳票を出力できる「ActiveReportsJS」の活用

JavaScript帳票作成ライブラリー「ActiveReportsJS」の紹介

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帳票にデータを反映

 図3の帳票は常に同じ内容を表示しますが、一般的な帳票は、何らかのデータを反映して表示します。以下では、ActiveReportsJSで帳票にデータを反映する方法を説明します。

「共通の値」で出力日時やページ番号を表示

 出力日時やページ番号など、帳票で利用頻度の高いデータ項目は、ActiveReportsJSの帳票デザイナで「共通の値」として定義されています。帳票デザイナの右側で「データ」を選択して「共通の値」を表示させ、ドラッグアンドドロップで帳票に配置できます。

図4 共通の値を帳票に配置する操作
図4 共通の値を帳票に配置する操作

 例として、共通の値から「ページ番号 / 総ページ」と「日付と時刻」を配置した帳票を図5に示します。

図5 共通の値から「ページ番号 / 総ページ」と「日付と時刻」を出力した帳票(p002-common-value)
図5 共通の値から「ページ番号 / 総ページ」と「日付と時刻」を出力した帳票(p002-common-value)

データソースとデータセット

 複数個のデータをもとに、複数ページの帳票を出力するには、帳票デザイナの「データソース」と「データセット」機能を利用します。図6のサンプルで利用方法を説明します。このサンプルでは、宛先を変えながら複数ページの帳票を表示します。

図6 データソースとデータセットを利用した帳票の例(p003-data)
図6 データソースとデータセットを利用した帳票の例(p003-data)

 データソースは、帳票に表示するデータの情報源を表します。ActiveReportsJSでは、ローカルやインターネット上に存在するJSONファイルをデータソースにできます。

 ここでは、宛先の部署(department)、役職(position)、氏名(name)をJavaScriptオブジェクトの配列にした、リスト4のローカルJSONファイルをデータソースとして利用します。groupは帳票の1ページに表示するデータの範囲を指定するため、配列の各要素で異なる値を設定します(詳細は後述します)。

[リスト4]データソースのJSONファイル(p003-data/p003-persons.json)
[
  {
    "group": 1,
    "department": "札幌ブランチ",
    "position": "所長",
    "name": "木村 太郎"
  },
  {
    "group": 2,
    "department": "東日本統括事業部",
    "position": "統轄役員",
    "name": "山田 広重"
  },
(略)
]

 帳票デザイナの「データ」-「データソース」で「追加」をクリックして表示される「新規データソース」画面でリスト4のファイルを指定すると、帳票にデータソースが追加されます。

図7 帳票デザイナでデータソースを追加
図7 帳票デザイナでデータソースを追加

 次に、データソースからデータセットを作成します。データソースの「+」ボタンをクリックして「データセットの編集」画面を表示します。「全般」-「クエリ」に「$[*]」と入力して「検証」をクリックすると、JSONのデータ項目が「フィールド」に表示されるので「OK」をクリックします。クエリに指定した「$[*]」は、配列の全データを表す「JSONPathクエリ言語」の記述です。JSONPathクエリ言語の詳細はドキュメントを参照してください。

図8 データセットの作成手順
図8 データセットの作成手順

 データセットが作成されると、レポートコントロールの「値」プロパティで、表示するデータ項目名を指定できるようになります。また「式」を選択すると、式エディタが表示されて、表示内容を式で記述できるようになります。

図9 表示するデータセットの項目を選択
図9 表示するデータセットの項目を選択

 例えば、名前の後ろに「殿」をつけて表示する場合、式エディタで図10の通り式を記述します。

図10 式エディタで表示内容を設定
図10 式エディタで表示内容を設定

 最後に、帳票1ページに表示するデータの単位を「グループ」に設定します。レポートの「グループ」プロパティで「group」項目を選択します。データソース(リスト4)で、groupは配列要素ごとに異なる値になっているため、1配列要素あたり1ページの帳票が出力されます。

図11 帳票にグループを設定
図11 帳票にグループを設定

パラメータの利用

 帳票デザイナの「パラメータ」を利用すると、入力した値を帳票上に表示したり、表示するデータをフィルタリングしたりできます。

図12 パラメータを利用した帳票出力(p004-parameter)
図12 パラメータを利用した帳票出力(p004-parameter)

 パラメータを設定するには、帳票デザイナの「データ」-「パラメータ」でパラメータを追加します。追加したパラメータは帳票で参照して表示させます。

図13 パラメータの追加と参照
図13 パラメータの追加と参照

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帳票の表現力を高めるレポートコントロールの紹介

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この記事の著者

WINGSプロジェクト  吉川 英一(ヨシカワ エイイチ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

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