REST APIの作成(2)
REST APIの設定
以上で定義・生成・実装したREST APIを使用するために、いくつか設定を行う必要があります。管理ポータルで、「システム管理」→「セキュリティ」→「アプリケーション」→「ウェブ・アプリケーション」をクリックし、次の画面のように「新しいウェブ・アプリケーションを作成」を押します。
ウェブ・アプリケーション作成画面では、以下のとおり設定します(次図)。
- アプリケーション名: “/csp/DriveDemo”
- ネームスペース: “DRIVE”
- 有効:”REST”
- ディスパッチ・クラス: “DriveDemo.disp”
- 許可された認証方法: “認証なし”、”パスワード”
そして、「保存」ボタンを押します。
次に、セキュリティの設定を行います。管理ポータルの「システム管理」→「セキュリティ」→「ユーザ」をクリックします。そして、次の画面で”UnknownUser”をクリックします。
表示された画面で「ロール」をクリックし、「利用可能」の選択肢から”%DB_%DEFAULT”を選び、右矢印をおして「選択済み」へ移動させ、「付与する」ボタンを押します(次図)。
次に、以下2つの図のとおり、「SQLテーブル」タブを選び、「テーブルを追加…」ボタンを押し、次の画面で、スキーマを選択: “DriveDemo_Data”、利用可能の一覧から”CarLatest”を右の選択済みに移動、「適用」ボタンを押します。
以上ですべての設定が完了しました。Postmanを使って、http://localhost:52003/csp/DriveDemo/carsにGETメソッドを送信すると、次の図のようにJSON形式で車の最新情報が返されることを確認できます。
これをもって、連載第2回でデモしたアプリケーションがすべて完成しました。
まとめ
この連載では、6回に渡ってInterSystems IRIS Data Platformの設計思想、開発手法についてご紹介してきました。題材として使用したのは、車載器から発生するデータをMQTTプロトコルでリアルタイムに受信して、データを変換・加工、保存し、運転状況に異常がないかチェックするアプリケーションでした。
「データは21世紀のエンジンである」と言われる時代において、IoTに代表されるような大量かつ多様な形式のデータを、リアルタイムに処理するニーズが高まっています。そういった処理には、多様なデータ形式を標準的なものに変換したり、複数の発生源からのデータを突合したりして、重複や欠損をなくすようなものが含まれます。
連載で紹介したIRISのインターオペラビリティ機能は、発生源からのデータをあらかじめ定められたルールやフローに基づいて処理するものです。IRISはオブジェクト指向のサポートにより、ルールやフローなどのコンポーネントをシンプルに開発することを可能にします。また、高速なデータベースによってメッセージの保存、トレースが容易であり、効率的なシステム運用を行うことができます。
連載では、大変多くの設定作業を紹介しました。もしかしたら、面倒に感じられた部分もあるかもしれません。しかし、出来上がったアプリケーションのコードの量は驚くほど少ないと思います。いったんIRISの開発手法をマスターすれば、シンプルなアーキテクチャーで高性能なアプリケーションを高い生産性で作ることができます。末尾のリンクでご案内している情報にアクセスして、さらにIRISを体験してみてください。
IRISに保存したデータを機械学習にかけたりして活用する手法については、今回の連載では紹介できませんでした。InterSystemsでは、機械学習やAIの活用をシンプルにする取り組みも行っています(参考:Developers Summit 2020のセッションレポート)。いずれ、CodeZineでそれらの機能についてご紹介できるよう計画したいと思います。ご期待ください。
連載を最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
参考
インターシステムズでは、開発者の皆様にIRISを知っていただくために、いろいろな機能を紹介する短い動画を作成しています(日本語字幕付き)。
また、TRY-IRISをご利用いただくと、QuickStartの一部コースを専用のWebIDE上ですぐにお試しいただけます。あわせてご検討ください。
インターオペラビリティ機能は以下のURLで説明されています。ぜひご覧ください。