はじめに
Javaには、関数をオブジェクトとして扱い、その関数オブジェクトを引き渡すための手軽な方法はありません。しかし、それができれば非常に便利です。例えば、次のインターフェイスを実装する関数を考えてみましょう。
interface Function<X,Y> {
Y apply(X x);
}
これは、Python、Ruby、またはJavaScriptの場合ほど便利ではないかもしれませんが、プログラマに新しい手法をもたらします。例えば、コレクションの各要素に関数を適用し、別のコレクションを生成することができます(関数型プログラミングにはこのような処理を表す特別な用語がありますが、このサンプルはJavaなので、あまり話を複雑にしないでおきましょう)。
ある意味で、Map<X,Y>はFunctionによく似ています。一番の違いは、マップには事前に定義されたキーのセットがあるのに対して、関数は値の範囲全体に対して定義されることです。Map<X,Y>を使用すると、そのマップに基づく関数を簡単に作成できます。
Function<X,Y> function(Map<X,Y> map) { return new Function<X,Y>() { public Y apply(X x) { return map.get(x); } } }
マップキーのリストに含まれない引数値の場合、この関数はNullを返します。function()
を変更して、関数のデフォルト値となる2番目のパラメータを指定することもできます。
一方、Function<X,Y>がある場合に、その関数に対応するMap<X,Y>を構築するには、キーのSet<X>が必要です。しかし基本的に、Map<X,Y>はFunction<X,Y>と大きく異なります。マップを作成するときには、一連のファクトを指定します。特定のキーは特定の値に対応付けられます。これらのファクトはナレッジに追加したり削除したりできます。あるキーについて、マップがそのキーに関連する値を生成できれば、SQLのselect...where
文のように非常に便利に使うことができ、ナレッジ検索に役立ちます。
本稿では、2つのキーセットから成るマップについて説明し、このクラスが一般のJavaコーディングでいかに役立つかを示します。