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新規SaaSの企画検討からリリースまで! freeeの事例に学ぶプロダクト開発

freeeの事例に学ぶ! 新規事業スタート前にプロダクトマネージャーが取り組んだこと

新規SaaSの企画検討からリリースまで! freeeの事例に学ぶプロダクト開発 第1回


圧縮したデザインスプリントで見出したMVP

 ここまでの過程を進めていく中で開発やデザインという観点からも企画を一緒に検討していってくださる方々がアサインされ、プロダクトマネージャーの私と、UXデザイナー、エンジニアの3人で進めていくことになりました。

 これでチームになって進めていけると思ったのですが、UXデザイナー、エンジニアの2人は大阪支社に勤務する方でした。toCのプロダクトですが、これまで新規の企画検討を行う際、基本的には少人数のチームを組んで背中合わせや隣り合わせですぐ議論できる距離感でチームを組むことが多かったため、このチーム編成にひとえに不安を感じたのを今でも覚えています。でも今はこの体制だからこそ、最終的にタイミングを大きく変えることなくリリースを迎えることができたと思っています(この理由については今後の連載で言及することになりますので、ご期待ください)。

 順調に各種調査を進めていき、あらゆる観点から十二分に情報を収集できました。次は、これらの情報を前提にプロトタイプに落とし込むフェーズに進むことになります。さすがにこのタイミングでは実際にホワイトボードや対面での議論を通して行うほうが遥かに効率的なので、1週間ほど大阪支社に検討チームが集結し、本腰を入れて議論を行うことになりました。プロダクトマネージャー、UXデザイナー、エンジニアにもう1人、テックリードも参加し、4人で議論を進めることになりました。

右からUXデザイナーのGen-san(篁 玄太)、テックリードのMass-san(増田 茂樹)、エンジニアリングマネージャのYossy-san(竹田 祥)、プロダクトマネージャのzen(宮田 善孝)

右からUXデザイナーの篁 玄太氏(Gen)、テックリードの増田 茂樹氏(Mass)、エンジニアリングマネージャの竹田 祥氏(Yossy)、プロダクトマネージャの宮田 善孝氏(zen)

 プロトタイプに落とし込む方法は、プロダクトマネージャーにとって必読書の1冊である『SPRINT 最速仕事術』(ダイヤモンド社)にまとめられているデザインスプリントという手法を採用しました。これはプロダクトを作っていく前提の確認から初期プロトタイプへの落とし込み、ユーザーテストまでをわずか1週間で実施してしまうというものです。

 検討メンバーは全員兼務状態で専任ではありません。しかも、すでに外部の調査会社にご協力いただき、想定ユーザーを迎えての受容性調査テストを最終日にセットしており、お尻が決まった状態です。ですので、本来5日間×7時間かけて行うものを、5日間×2時間と極端に時間を短縮し、集中して議論を行うスタイルに変えて実施しました。

 事前にすり合わせていた5日間それぞれのテーマとゴール設定を確認するところから始め、日々のゴールを意識したうえで議論を開始し、ほぼ時間通りに終えていました。これは事前にプロトタイプを進めるうえで必要な前提知識を収集できていたことと、プロダクトの企画を進めるうえで必要なプロダクトマネージャー、UXデザイナー、エンジニア、テックリードと全ファンクションで経験値の高い方々が勢揃いしたことが大きかったです。

 デザインスプリント中は、私がファシリテーターを買って出たのですが、あまりに議論がスムーズ過ぎて、何度も「予定調和になっていないか?」「本当にゼロベースでの議論ができているか?」と問い続ける5日間になりました。実際、下記2つのスライドを比較してほしいです。1はデザインスプリント後半で使った受容性調査向けの資料で、2はリリース後の提案資料です。

1:デザインスプリントで出た今回の工数登録、確認画面のモックであり、受容性調査で活用した資料抜粋

1:デザインスプリントで出た今回の工数登録、確認画面のモックであり、受容性調査で活用した資料抜粋

2:リリース時点の工数確認画面で、リリース後の提案資料抜粋

2:リリース時点の工数確認画面で、リリース後の提案資料抜粋

 デザインスプリントのタイミングで出た、カレンダーUIで工数を登録し確認できるというコア機能は1年後のリリースまで存続し、若干の色味こそ変われど、デザインスプリント時点の仕様をそのままリリースすることになりました。一般的には新たな前提となるインプットを受けたり、よりよいアイデアが出たりして塗り替えられていくことが多いと思います。

 しかし、前述の通り、事前調査とその共有、さらには経験値の高いメンバーが集まったことにより、極めて精度が高い議論ができ、この時点でリリースまでの意志を貫くに足るアウトプットにつながったと思います。

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ミッション/ビジョン整合性と事業性の両立が求められる『開発Go/NoGo』

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この記事の著者

宮田 善孝(ミヤタ ヨシタカ)

Zen and Company 代表取締役/日本CPO協会 常務執行理事/ALL STAR SAAS FUND Advisor/ソニー株式会社 Senior Advisor。京都大学法学部を卒業後、Booz and company(現PwC Strategy&)、及びAccenture St...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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