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アライドアーキテクツに学ぶ、プロダクト中心の組織構築への実践

全エンジニアがプロダクトの状況と方針を理解した上で開発する――CTO不在の組織再建の舞台裏

アライドアーキテクツに学ぶ、プロダクト中心の組織構築への実践 第2回

プロダクトセントリックな組織への変化

 エンジニア組織が再立ち上げされたのと同時期に会社組織にも大きな変化があり、従来のASP型の自社プロダクト開発から、SaaS型のプロダクトの開発へと方針が変更されました。エンジニアは、ビジネスサイドのメンバーと共にSaaS型プロダクトビジネスの部署に所属し、プロダクトを中心に据えた組織の一員として業務を行うことになりました。

 エンジニアとビジネスサイドのメンバー間でプロダクトビジネスへの認識の違いから発生する衝突により、本来得られるはずの結果を残すことができない事態に陥ることを避け、エンジニアがプロダクトセントリックな組織の一員としてバリューを発揮していく上で欠かせなかったのは、エンジニアの集まりである棟梁と非エンジニアであるCPOとの間で行われる対話でした。

 ビジネスサイドの人材であるCPOがエンジニア組織の運営に関わり、会社の現在の状況やビジネスサイドの追いかけている数字、これから目指したい未来について棟梁に対し積極的に伝えてくれたこと、さらに棟梁は伝えられた内容に対して技術的な視点でフィードバックをしながら対話を行ったことがかみ合い、技術とビジネスの両面から行動指針を決定することができるバランスの良い組織になりました。

 また、棟梁は自分たちだけがプロダクトの状況と今後の方針について理解するのではなく、エンジニア全体が理解した上で開発を行えるように、日本とベトナムの区別なくそれらの情報を展開することも責務として活動を行いました

現在の組織体制

 かつてのCTOの役割を分割しただけの組織体制からは大きく変化し、棟梁を中心にプロダクトの目指すゴールに対してエンジニアが果たすべき役割を定義し、それを実現するために何が必要かを考え、実現に対して意志のあるメンバーがアクションを起こす体制になりました。

 日本とベトナム双方の開発メンバーに対しては「プロダクトを作ることが目的ではなく、市場や顧客の痛みを理解し、それを解決することによるプロダクトビジネスの成功が自分たちの成功につながる」ことを伝え続けました。

 そして、現在のビジネスの状況と目指すべき姿をあわせて随時発信することでメンバー間の認識を合わせ、1つのゴールを追いかける体制を作っています。さらに、ベトナムに続いて日本側でもクレドに「One Team, One Goal」を採用したことで、プロダクトが目指すゴールをより強く意識するようになり、技術的な正しさだけではなく目指すゴールのためにリスクを適切にコントロールしながら時流に逆らわない開発を行えるようになりました。マーケティングという変化の激しい分野で勝ち抜いていくにあたって、このような体制を構築できたことは強みになっています。

 また、ビジネスサイドのメンバーと1つのゴールを追いかけることを自然に身につけたメンバーを育成するため、新卒・第2新卒採用を数年ぶりに再開しました。

組織の変革から得られたもの

 One Team, One Goalを先に掲げたのはベトナム拠点でしたが、「日本もベトナムも関係なくプロダクトの共通のゴールを達成するために必要な開発チームを作り、開発作業を行っていきます」という宣言を日本とベトナム拠点双方に対して行った結果、おのずと日本側の果たすべき役割も明確になり、日本とベトナムの関係性は仕事を依頼し依頼される関係から、プロダクトビジネスの成功に向けて協力するOne Teamになることができました。

 この言葉と思想が組織全体に浸透したことにより、日本とベトナムのメンバーのコミュニケーションがより密になりました。モダンな開発技術の導入による開発効率の改善や技術的負債の返済といった、エンジニア組織として成功することを主軸にするのではなく、プロダクトビジネスの成功を中心に据えたことによって、ビジネスの状況を理解し時流に逆らわず、リスクをコントロールしながら柔軟に開発を行えるようになったこともOne Team, One Goalの体現に一役買っています。

 One Team, One Goalがさまざまな側面から体現されたことにより、アライドアーキテクツのプロダクト開発体制は強固なものとして再生しました。今後も技術とビジネスの両面から、プロダクトビジネスの成功を支える組織の形を模索していきます。

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この記事の著者

岩間 亮(イワマ リョウ)

 盛岡情報ビジネス専門学校情報システム科卒業後、地元岩手でハード機器関連の営業職としてキャリアをスタート。その後、派遣会社に転職し工場への派遣を経て、地元SIerへの派遣を期にエンジニアへキャリアチェンジ。本格的にエンジニアとしてのキャリアを積むため上京し、2009年1月グローバルスペース株式会社へ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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