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実際のパッケージデザインから考える、ECとサステナビリティ

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環境問題とパッケージ

 世界に目を向けてみると、プラスチックごみによる海洋汚染が問題となっています。とくに昨今では、サステナブルや脱プラという言葉も多く耳にするようになり、多くの企業が環境に配慮した取り組みを進めています。

 素材としての汎用性の高さから多くのパッケージにもプラスチックが使用されており、その用途は野菜などのトレーやペットボトル、フィルムのラベル、日用品とさまざまです。こうした現状のなか、パッケージにはどのような変化が起きているでしょうか。

 多くの企業が取り組んでいることのひとつとして挙げられるのが、脱プラスチックです。プラスチックを使用していた商品をほかの素材へと置き換える施策はよく目にするのではないでしょうか。

 まずはその代表的な例である“脱プラ”や、環境から新しい価値を見いだしたパッケージを見てみましょう。

キットカット/ネスレ日本

2019年9月下旬からキットカットの包装が紙のパッケージへと変わりました。主力商品でいちはやく取り組んでいく姿勢は、世界に展開しているグローバル企業とだけあってさすがの一言です。そして2022年までに日本のキットカットで使用する包材すべてを「リユース・リサイクル可能な素材」へ変更することを目指しています。

また「#キットずっと」という言葉を掲げ、パッケージを折り紙にして想いを伝えたり、Youtubeの公式チャンネルではゴミ問題やサステナブルについてイチ個人の目線から発信しています。

BAUM/資生堂

資生堂の高価格帯の新スキンケアブランド「BAUM」は、木製家具で有名なカリモクとコラボすることで木材が使用されていたり、樹木のニュアンスを感じるパッケージが印象的な商品です。

サステナブルや原材料、環境への配慮など商品の背景に対する意識がとくに高いのがコスメ業界だと思います。それらが注目されている中から「樹木の恵み」という唯一無二のコンセプトを見い出し、魅力的な商品へと落とし込んでいます。

そのコンセプトから生み出された木材を使用したパッケージのビジュアルもまた鮮烈です。環境負荷軽減への取り組みや森林保全活動への取り組みの一部として、店舗内で育てている苗木が空間の演出としても機能していたりと自然との共生がブランドとして見事に一貫しており、新たな価値を生み出しています。

Kirei Lifestyle by KAO|花王

とてもユニークで新しい容器の形状が特徴の「Kirei Lifestyle by KAO」。

一般的にはボトルに対して詰め替え用を用意し、詰め替えるという形式が当たり前でしたが、これに対し、詰め替え用そのものが容器になってしまうのがKirei Lifestyle by KAOです。容器のプラスチック削減だけにとどまらずに、テラサイクルと協力し使用後の容器を回収、リサイクルするという仕組みも合わせたブランドとなっています。まだアメリカのアマゾンでのみの販売になっていますが、これからの展開に期待してしまいます。

 今回は世の中の変化に合わせて多様に変化したパッケージを見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。

 販路や自然環境、商品を取り巻く環境が目まぐるしく変わる中で、対応していくパッケージデザイン。どのような状況でも、そこには数多くのアイディアの原石があることを教えてくれます。

 さて本連載も4回目です。これまで「包む」を考え「良いパッケージデザイン」について思考し、「ロングブランド」に触れ「今のパッケージ」について見てきました。

 次回はパッケージの原点に立ち戻り、「日本の伝統的なパッケージ」を辿っていきます。古くから生活と密接に関わり豊かにしてきた包装を見ることで現代に活かせるアイディアの種が見つかるかもしれません。

 それではまた次回。最後までご高覧いただき、ありがとうございます。

参考文献・サイト

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https://codezine.jp/article/detail/13102 2020/10/23 10:00

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